企業研究 前工程装置 成膜・熱処理装置
KOKUSAI ELECTRIC
企業研究 — ウェーハをまとめて成膜する会社
バッチ式の成膜・熱処理に絞った前工程装置メーカー。
売上の6割が装置ビジネスから出ています。
KOKUSAI ELECTRICの公式製品情報と2026年3月期決算短信を同じ表へ載せます。 会社予想は実績と別の欄に分け、公式採用ページの募集要項は参照日を付けて掲載しています。
Verified 詳細企業研究 / 出典・主張リンク確認済み ページ確認日 2026-08-05
60秒で判断
候補に残す3つの基準
半導体デバイスメーカーや研究機関でのプロセス開発経験、質量分析・電子分光・電子顕微鏡観察の経験がある人。
公式 4件 / IR 2件 / 採用 5件。出典参照日 2026-08-05 / ページ確認日 2026-08-05
- 装置ビジネス 1,400億円
- サービスビジネス 951億円
01 立ち位置
何の会社として比べるか
KOKUSAI ELECTRICは、ウェーハを複数枚まとめて成膜するバッチ式の装置と、膜質を改善するトリートメント装置に絞った前工程装置メーカーです。 全社の売上収益と装置・サービスの内訳を同じ年度でそろえ、事業の構成を数値で示します。
全社と装置・サービスを、同じ年度でそろえる
装置とサービスの区分は2026年3月期までの旧区分です。 2027年3月期からアップグレード改造などが装置ビジネスへ移ります。
調整後営業利益は、無形資産の償却や株式報酬費用などを営業利益へ加えた同社独自の指標です。
バッチ成膜とトリートメントで、どの位置にいるか
同社の資料は他社名をA社・B社・C社と匿名表記しています。 GartnerのWFEセグメント「Tube CVD」をTube(Batch)として集計した区分です。
枚葉トリートメント装置(Plasma Gate Modification Tools)のシェアはCY2025で40〜50%、市場規模はUS$0.1Bと記載されています。
バッチ式成膜プロセス装置
複数枚のウェーハを縦型炉へ同時に入れて成膜する方式で、ポリシリコンや絶縁膜を形成します。 ミニバッチのAdvanced TSURUGI Plus-Ⅲ 剱、Advanced TSURUGI 剱、TSURUGI-C² 剱と、ラージバッチのAdvancedAce-II、QUIXACE-IIが公式製品ページに載ります。
- Advanced TSURUGI Plus-Ⅲ 剱
- Advanced TSURUGI 剱
- TSURUGI-C² 剱
- AdvancedAce-II
枚葉トリートメント(膜質改善)装置
成膜した膜から不純物を抜き、膜質を改善する工程を担います。 プラズマ窒化・酸化のMARORAと、アニール・キュア・脱ガスのTANDUOが枚葉トリートメント装置として掲載されています。
- MARORA
- TANDUO
EPI・200mm対応・ロングセラーモデル
エピタキシャル成長のQUIXACE-LV、150〜200mmウェーハ向けのVERTEX Revolution、長期供給モデルのAdvancedAce-300、QUIXACE、QUIXACE ULTIMATEが公式製品ページに載り、先端ノード以外の生産ラインも対象です。
- QUIXACE-LV
- VERTEX Revolution
- AdvancedAce-300
- QUIXACE
サービスビジネス
納入済み装置の保守、修理、部品販売、移設、改造を担います。 半導体工場が通年で稼働するため、顧客の保守・操作教育を行うトレーニングセンタも運営しています。 2026年3月期はこの区分が売上の40%でした。
- アップグレード改造
- 保守サービス・有償修理
- 部品販売
- 装置移設
02 収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期は連結売上収益2,351億円に対し営業利益418億円。 装置販売の一部がアップグレード改造へ置き換わり、サービス売上が全体の4割まで上がりました。
2,351億円
前期比1.6%減。 DRAM向けアップグレード改造が伸びた一方、前期に集中した中国地場DRAM向けの装置販売が落ち着きました。
418億円
前期比18.5%減、営業利益率17.8%。 生産工場の稼働率低下、製品構成の変化、研究開発の先行投資が減益要因です。
装置1,400億円 / サービス951億円
構成比は装置60%、サービス40%。 装置販売の一部がアップグレード改造へ置き換わり、サービス売上は前期の746億円から増えました。
売上収益2,800億円 / 営業利益545億円
2026年5月13日公表。 前期比で売上19.1%増、営業利益30.3%増。 調整後営業利益は605億円の予想です。
2027年3月期から200mm装置販売、中古装置販売、アップグレード改造が装置ビジネスへ移ります。 新区分で2026年3月期を引き直すと装置1,834億円、サービス516億円です。
2027年3月期は2026年5月13日公表の会社予想です。 調整後営業利益率は同じ3期で24.2%、20.2%、21.6%です。
03 強みとリスク・検討点
強みと、リスク・検討点
バッチ方式で高いシェアを取る形と、顧客の設備投資と中国向け比率に振られる形が、同じ決算に出ています。
強み
CY2025のバッチ成膜装置市場でトップシェアを獲得し、バッチALD対応装置のシェアは80%超に達しました。 Gartnerの装置分類に基づき同社が作成・推定した値です。
2026年3月期 決算説明会資料 2026年5月13日 ↗数十枚以上のウェーハを同時に成膜するバッチ方式へ原子層レベルの成膜を組み合わせ、高アスペクト比構造でのカバレッジと生産性を同時に取る技術として公式ページに載っています。
KOKUSAI ELECTRICの強み ↗2026年3月期はDRAM向けアップグレード改造の増加が装置販売の減少を相殺し、サービス売上は前期746億円から951億円へ増えました。 通期の減収は1.6%です。
2026年3月期 決算説明会資料 2026年5月13日 ↗2026年3月期末の親会社所有者帰属持分比率は61.0%、営業活動によるキャッシュ・フローは488億円、現金及び現金同等物は565億円です。
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)2026年5月13日 ↗リスク・検討点
半導体製造装置事業による単一セグメントで、決算短信はセグメント情報の記載を省略しています。 顧客の設備投資サイクルがそのまま業績へ出て、2026年3月期は減収減益でした。
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)2026年5月13日 ↗2026年3月期の中国仕向け売上比率は39%、中国地場デバイスメーカー向けの売上比率は35%です。 2027年3月期予想では中国仕向け34%、中国地場向け29%へ下がる想定です。
2026年3月期 決算説明会資料 2026年5月13日 ↗2027年3月期の2,800億円は2026年5月13日公表の会社予想です。 2026年3月期は第2四半期時点の予想2,300億円に対し2,351億円で着地しており、予想は期中に動きます。
2026年3月期 決算説明会資料 2026年5月13日 ↗平均年収、職種別・年代別の年収、賞与月数は公式採用ページの記載範囲の外です。 経験者採用の給与欄には「経験・能力などを考慮の上、決定します」とだけ書かれています。
経験者採用 プロセスエンジニア ↗04 待遇
給与、初任給、休日、手当
公式の募集要項に載っているのは初任給、昇給・賞与の回数、勤務時間、勤務地、年間休日、諸手当の区分です。 平均年収や職種別の水準は記載範囲の外です。
2026年4月実績の掲載値です。 高専専攻科卒は学部卒と同じ金額です。 応募年度の募集要項で最新の値を取ってください。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月・12月)です。 賞与月数は公式採用ページの記載範囲の外です。 基準は応募日の公式募集要項です。
- 勤務時間
- 本社と横浜テクノロジーセンタは9:00〜17:30(休憩45分)、富山事業所と砺波事業所は8:30〜17:00または9:00〜17:30(休憩45分)です。 所属部門ごとに異なります。
- 休日休暇
- 完全週休2日制(土日祝)で、年間休日は2026年度126日(GW8日、夏季9日、年末年始6日ほか)。 年次有給休暇は4月入社で24日(一斉取得5日を含む)です。
- 諸手当・福利厚生
- 通勤手当(全額支給)、時間外勤務手当、退職金制度、企業年金、確定拠出年金、財形貯蓄、独身寮、診療所、社員食堂が掲載されています。 富山事業所近くの青風寮は満33歳までの独身者が対象で、独身女性向け借上物件は賃料の50%を会社が負担すると研修制度&福利厚生に記載があります。
- 働き方の実績値
- 平均有給取得日数19.5日/年、所定外労働時間20.8時間/月、育児休暇取得率は男性68.2%・女性100%です(2025年3月31日時点)。 2025年4月の新卒採用は40名で、入社3年以内の定着率は95.8%と記載されています。
- 公表される項目の範囲
- 平均年収、職種別・年代別の年収、賞与月数は公式採用ページの記載範囲の外です。 経験者採用の給与欄には「経験・能力などを考慮の上、決定します」とだけ書かれています。
- 研究開発・設計職44.3%
- 生産職・営業/企画職・経営サポート職55.7%
公式採用ページが数値で示すのは研究開発・設計職の44.3%です。 残る3区分の合計55.7%は公表値からの計算で、3区分それぞれの比率は記載範囲の外です。
05 勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
拠点は東京本社、富山県富山市八尾町の富山事業所、富山県砺波市の砺波事業所、横浜テクノロジーセンタの4か所です。 グループ会社は国内1社、海外6社で、連結2,540名のうち44.9%が海外勤務です。
- 本社
- 東京都千代田区大手町一丁目9番5号 大手町フィナンシャルシティ ノースタワー23階/ 2026年1月26日に移転
- 富山事業所
- 富山県富山市八尾町保内2-1/ プロセス開発、装置システム開発、膜厚・欠陥の測定、クラス5000のクリーンルームでの生産
- 砺波事業所
- 富山県砺波市下中条110番1/ 隣接地約43,000㎡の取得を決定
- 横浜テクノロジーセンタ
- 神奈川県横浜市神奈川区恵比須町1番地 澁澤ABCビルディング2号館4階
- 海外グループ会社
- 韓国、中国(上海)、台湾、シンガポール、米国、ドイツの6社
- プロセスエンジニア
- 電気エンジニア
- 機械エンジニア
- ソフトウェアエンジニア
- 生産エンジニア
- 研究開発・設計職
- 生産職
- 営業・企画職
- 経営サポート職
前半5区分は経験者採用の募集職種、後半4区分は公式採用ページの職種構成の区分です。 新卒の募集職種はマイページで公開されます。
06 これから
会社が次に取りにいくもの
中期経営計画は2026年5月13日に更新され、達成時期は2029年3月期までとなりました。 2026年3月期の実績と各目標の距離を、同じ図で示します。
- ROE 25%以上
- ROIC 23%以上
- 研究開発費 対売上収益6%以上
- サービスビジネス売上比率 20%程度
WFE市場規模1,200億ドル以上を前提とした目標です。 年度別の内訳は公式資料の記載範囲の外です。
- 2027年3月期の会社予想
- 売上収益2,800億円、営業利益545億円の予想です。 世界各国向け装置売上が443億円増える一方、中国地場向け装置売上は22億円減る想定で、アプリケーション別ではNAND向け7%増、DRAM向け36%増、Logic/Foundry向け38%増としています。決算説明会資料に増減要因の内訳が載ります。
- 生産拠点への投資
- 砺波事業所に隣接する約43,000㎡の土地を約10億円で取得すると決定しました。 2031年以降の市場拡大を想定した取得と記載されています。 2026年3月期の設備投資額は169億円、研究開発費は183億円でした。
中期経営計画の目標見直し
2026年5月13日の更新で、中期目標の達成時期を2029年3月期までとし、売上収益3,300億円以上、調整後営業利益率30%以上、装置ビジネス売上比率80%程度へ組み替えました。
根拠資料↗不確実性:WFE市場規模1,200億ドル以上を前提とした目標です。 年度別の内訳は公式資料の記載範囲の外です。
次世代デバイスでのPOR獲得
500層以上の3D NAND、D1d以降のDRAM、GAA世代のLogic/Foundryを対象に、ギャップフィルやインナースペーサなどの工程でPOR獲得を進める計画が公式資料に載っています。
根拠資料↗不確実性:資料上は獲得済みの印と獲得目標の印が別記号です。 目標の区分は計画値として使ってください。
アドバンスドパッケージ分野への展開
競争優位性のある成膜技術をアドバンスドパッケージ分野へ広げる検証とPOR獲得を、短期から中期のカタリストとして挙げています。
根拠資料↗不確実性:アドバンスドパッケージ向けの売上規模は公式資料の記載範囲の外です。
砺波事業所の隣接地取得
2031年以降の市場拡大を想定し、富山県砺波市が所有する砺波事業所の隣接地約43,000㎡を約10億円で取得すると決定しました。
根拠資料↗不確実性:公表内容は取得の決定までです。 建屋の用途と稼働時期は公式資料の記載範囲の外です。
07 入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
バッチ成膜、枚葉トリートメント、EPI・200mm対応、サービスのうち、自分の専攻と重なる区分を1つ選び、そこから応募職種を1つに絞ります。
プロセスエンジニア
薄膜の研究開発、次世代アニール装置のプロセス設計、成膜条件の設定、顧客対応を担う入口です。
- ALD
- CVD
- Thin Film
- Plasma
電気エンジニア / 機械エンジニア
縦型炉、搬送機構、加熱・ガス供給系など、装置システムの電気設計と機械設計を担う入口です。
- Equipment Design
- Thermal Fluid
- Control
- Mechanical
ソフトウェアエンジニア
装置制御ソフトウェアとシステム技術開発を担う入口です。 経験者採用でも独立した募集区分になっています。
- Software
- Equipment Control
- Automation
- Data
- TSURUGI 剱シリーズ / AdvancedAce-II・QUIXACE-II / MARORA・TANDUOから担当したい装置区分を1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、膜厚均一性、カバレッジ、スループットのどれと結ぶかを1つ選ぶ
- 募集要項の勤務地(本社・富山・砺波・横浜)と職種区分を公式ページからノートへ書き写す
- ALD
- CVD
- Thin Film
- Plasma
- Anneal
- Equipment Design
- Thermal Fluid
- Control
- Mechanical
- Electrical
成膜・トリートメント工程の性能指標と自分の実務経験を結ぶための語です。
比較
他社との違いを一言で
東京エレクトロン
縦型熱処理装置で重なります。 東京エレクトロンは塗布現像、エッチング、洗浄まで持つ前工程装置の総合メーカーで、事業構成の幅で比べます。
Applied Materials
成膜装置で重なります。 KOKUSAI ELECTRICはバッチ方式の生産性とバッチALDに絞り、装置区分ごとのシェアで比べます。
ASMインターナショナル
ALDで重なります。 バッチ方式と枚葉方式、対象工程の区分を分けて比べます。
SCREENホールディングス
工程は別です。 SCREENは洗浄・塗布現像を軸とし、KOKUSAI ELECTRICは成膜とトリートメントを軸とします。 年度と会計基準をそろえて比べてください。
出典
公式情報と第三者資料
会社、IR、採用、報道の種別を分けて掲載しています。 参照日は2026-08-05です。
- 公式 製品・サービス情報 参照日 2026-08-05
- 公式 会社概要 参照日 2026-08-05
- 公式 KOKUSAI ELECTRICの強み 参照日 2026-08-05
- 公式 事業紹介 参照日 2026-08-05
- IR 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)2026年5月13日 参照日 2026-08-05
- IR 2026年3月期 決算説明会資料 2026年5月13日 参照日 2026-08-05
- 採用 新卒採用 募集要項 参照日 2026-08-05
- 採用 経験者採用 プロセスエンジニア 参照日 2026-08-05
- 採用 研修制度&福利厚生 参照日 2026-08-05
- 採用 公式採用サイト 従業員・働き方データ 参照日 2026-08-05
- 採用 公式採用サイト 富山事業所紹介 参照日 2026-08-05