企業研究 パワー半導体 / 総合電機 パワー半導体・化合物半導体デバイス
三菱電機
企業研究 — 電力を変換して送るデバイスの会社
6部門で開示する総合電機。
半導体は部門売上高2,871億円で、全社5兆8,947億円の内側にあります。
三菱電機のパワーデバイス公式製品情報と2026年3月期 決算説明会資料を同じ表で比べます。 全社連結とセミコンダクター・デバイス部門は別の欄に分け、会社計画は実績と区別して掲載しています。
Verified 詳細企業研究 / 出典・主張リンク確認済み ページ確認日 2026-08-05
60秒で判断
候補に残す3つの基準
物理、電子材料、化学、半導体プロセスの専攻または実務がある人。
公式 5件 / IR 4件 / 採用 4件 / ニュース 3件。出典参照日 2026-08-05 / ページ確認日 2026-08-05
- ライフ 23,182億円
- インダストリー・モビリティ 16,738億円
- インフラ 14,634億円
- その他・デジタルイノベーション 9,815億円
- セミコンダクター・デバイス 2,871億円
01 立ち位置
何の会社として比べるか
三菱電機は、インフラ、インダストリー・モビリティ、ライフ、デジタルイノベーション、セミコンダクター・デバイス、その他の6部門で業績を開示します。 半導体志望の読者向けに、全社とセミコンダクター・デバイス部門を同じ年度で比べます。
全社の部門構成のなかで、半導体はどこにあるか
部門売上高はセグメント間の内部売上高を含みます。 部門合計6兆7,242億円に対し、消去又は全社△8,295億円を差し引いた後が連結売上高5兆8,947億円です。
部門営業利益の合計5,690億円から消去又は全社の△1,359億円を差し引いた後が連結営業利益4,330億円です。
パワーデバイスと高周波・光デバイスに分けて比べる
部門売上高2,871億円のうち、事業区分として公表されているのはこの2区分です。
2026年5月29日公表の会社目標と会社見通しです。 実績は左の図に載せています。
パワーデバイス(Si)
IGBTを組み込んだパワーモジュール、駆動回路と保護機能を内蔵したIPM/DIPIPM、高耐圧のHVIGBTモジュール、ドライバIC、裸チップを公式製品ページに掲載しています。 応用はエアコン・冷蔵庫・洗濯機、自動車、UPS・スイッチング電源、太陽光発電・風力発電、モーションコントロール、電力伝送、鉄道車両です。
- IPM / DIPIPM
- HVIGBTモジュール XBシリーズ
- 産業用LV100タイプ 1.2kV IGBTモジュール
- ドライバIC(HVIC)
SiCパワー半導体
フルSiCパワーモジュール、ハイブリッドSiCパワーモジュール、SiC SLIMDIP、SiC DIPIPM、自動車用SiCパワーモジュール(J3シリーズ)を公式製品ページに掲載しています。 熊本県菊池市泗水地区の新工場棟は2025年10月に竣工し、8インチウエハラインの立ち上げ段階と記載されています。
- フルSiCパワーモジュール
- ハイブリッドSiCパワーモジュール
- SiC SLIMDIP
- 自動車用SiCパワーモジュール(J3シリーズ)
光デバイス
EMLチップ、DFBレーザー、pin-PDチップ、光受信モジュール、マルチモード半導体レーザーを公式製品ページに掲載しています。 用途は大規模データセンター、家庭用光ファイバー通信(FTTH)、移動通信システム基地局、プロジェクター用光源です。
- EMLチップ
- DFBレーザー
- pin-PDチップ
- 光受信モジュール
高周波デバイス
Ka帯GaN MMIC電力増幅器、5G基地局用GaN電力増幅器モジュール、シリコンRF高出力MOSFETを公式製品ページに掲載しています。 用途は衛星通信(SATCOM)、移動通信システム基地局、各種無線機です。
- Ka帯GaN MMIC電力増幅器
- 5G基地局用GaN電力増幅器モジュール
- シリコンRF高出力MOSFET
02 収益
どこで、どれくらい儲けているか
2025年度の連結売上高は5兆8,947億円、営業利益は4,330億円で営業利益率は7.3%。 セミコンダクター・デバイス部門は売上高2,871億円に対し営業利益475億円で、部門の営業利益率16.6%が全部門で最も高い水準です。
5兆8,947億円
前年度比107%。 営業利益4,330億円(前年度比111%)、営業利益率7.3%、親会社株主に帰属する当期純利益4,077億円です。
売上高2,871億円 / 営業利益475億円
売上高は前年度比100%、営業利益は117%、営業利益率は16.6%。 外部顧客に対する売上高は2,589億円です。
連結6兆2,000億円 / 半導体・デバイス3,000億円
連結の調整後営業利益は5,900億円。 半導体・デバイス部門は調整後営業利益430億円、調整後営業利益率14.3%の計画です。
設備投資1,051億円 / 受注高3,204億円
設備投資は前年度比315%、受注高は119%、研究開発費は192億円で前年度比126%です。 連結の設備投資は3,107億円でした。
決算説明会資料に載る部門別の営業利益率です。 部門値と連結値は集計範囲が異なります。
2026年度は会社計画で、調整後営業利益は430億円(前年度比93%)です。 実績とは別の欄で比べてください。
03 強みとリスク・検討点
強みと、リスク・検討点
電力変換のモジュールと化合物半導体で世界上位の順位を持つ一方、部門の規模は全社の一部にとどまり、直近はパワー半導体の需要停滞が続いています。
強み
パワー半導体モジュールのワールドワイドシェアは第2位、パワー半導体IPMは第1位(いずれも2024年度実績、当社調べ)。 DIPIPMの累計生産台数は1996年から2026年3月31日までで約15億台です。
半導体・デバイス 仕事・ひと(データ) ↗VSC型HVDCシステム向けパワー半導体モジュールは2025年度実績で世界第1位、データセンター向けEMLは2024年度実績で世界第1位(いずれも当社調べ)です。
半導体・デバイス 仕事・ひと(データ) ↗2025年度のセミコンダクター・デバイス部門は売上高2,871億円に対し営業利益475億円、営業利益率16.6%。 連結の営業利益率7.3%を9.3ポイント上回りました。
2026年3月期 決算説明会資料(2026年4月28日) ↗パワーデバイスのウエハ工程は熊本県合志市と広島県福山市、組立工程は福岡市西区のパワーデバイス製作所が担当し、関係会社の組立工場が兵庫、島根、福岡、中国、ハンガリーに並びます。
パワーデバイス 開発・生産拠点 ↗データセンター向けEMLチップは2025年度までに累計1億個、5G基地局用GaNモジュールは累計300万個を出荷したと新中期事業戦略の資料に記載されています。
半導体・デバイス事業 新中期事業戦略(2026年5月29日) ↗リスク・検討点
2025年度の部門売上高2,871億円は、部門合計6兆7,242億円の4.3%(公表値からの計算)。 全社業績はライフ2兆3,182億円、インダストリー・モビリティ1兆6,738億円、インフラ1兆4,634億円が動かします。
2026年3月期 決算短信(2026年4月28日) ↗2025年度の部門売上高は前年度比100%で横ばいでした。 会社は事業環境について、パワー半導体の需要停滞が継続し、通信用光デバイスの需要が堅調に推移したと記載しています。
2026年3月期 決算説明会資料(2026年4月28日) ↗セミコンダクター・デバイス部門の2026年度計画は売上高3,000億円(前年度比104%)に対し調整後営業利益430億円(93%)、調整後営業利益率14.3%。 増収でも減益で、理由は償却費増と記載されています。
2026年3月期 決算説明会資料(2026年4月28日) ↗2026年3月27日、当社のパワーデバイス事業とローム・東芝デバイス&ストレージの半導体事業の事業・経営統合について、協議開始に向けた基本合意を締結しました。 最終契約と競争法上のクリアランスは未了です。
パワー半導体事業・経営統合の協議開始に向けた基本合意(2026年3月27日) ↗04 待遇
給与、初任給、休日、手当
公式の募集要項に載っているのは初任給、就業時間、休日、休暇、諸手当、賃金改定と賞与の回数、福利厚生です。 年間休日日数、平均年収、職種別の水準は記載範囲の外です。
技術系総合職と事務系総合職に共通の掲載値です。 博士了と高専卒の金額は募集要項の記載範囲の外です。
- 賃金改定・賞与
- 賃金改定は年1回、賞与は年2回です。 賞与の月数は公式採用ページの記載範囲の外です。 基準は応募日の新卒採用 募集要項です。
- 勤務時間
- 就業時間は7時間45分、休憩時間は45分です。 始業・終業の時刻は事業所によって異なり、フレックスタイム制度の適用も事業所・部署によって異なります。
- 休日・休暇
- 休日は土曜日、日曜日、国民の祝日、労働祭、年末年始、会社創立記念日です。 休暇は年次有給休暇、結婚休暇、忌引休暇、転任休暇、配偶者出産休暇、チャージ休暇、セルフサポート休暇などが掲載されています。
- 諸手当・福利厚生
- 諸手当は時間外手当、扶養手当、通勤費補助。 福利厚生は寮・社宅、家賃補助、契約リゾート施設、社員持株会、セレクトプランポイント制度などです。 契約期間は期間の定めなし、試用期間は3か月です。
- 記載範囲の外にある項目
- 職種別・年代別の年収、年間休日日数、残業時間、賞与月数は公式採用ページの記載範囲の外です。 推定年収を載せる媒体もありますが、出所は不明のままです。
- 開発・製造拠点14拠点
- 営業拠点4拠点
開発・製造拠点は国内関係会社を含みます。 海外は営業拠点11ヶ国・地域、開発・製造拠点2ヶ国・地域。 従業員数は連結会社を含め5,800人超(2025年3月31日時点)です。
05 勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
半導体・デバイスの開発・製造拠点は、パワーデバイスが福岡・熊本・福山、光デバイスと高周波デバイスが兵庫県伊丹市にあります。 新卒採用の就業場所は全国の事業所のうち会社が指定した場所で、変更の範囲は会社の定める場所(国内外)です。
- パワーデバイス製作所(福岡地区)
- 福岡県福岡市西区今宿東一丁目1番1号/ モジュール組立・検査工程
- パワーデバイス製作所(熊本拠点)
- 熊本県合志市御代志997番地/ パワーデバイスのウエハ工程
- SiC 8インチ新工場棟(泗水地区)
- 熊本県菊池市泗水町住吉1576-1/ SiCのウエハプロセス工程
- パワーデバイス製作所(福山拠点)
- 広島県福山市大門町旭1番地4/ パワーデバイスのウエハ工程
- 高周波光デバイス製作所
- 兵庫県伊丹市瑞原四丁目1番地/ 光デバイスと高周波デバイスの研究開発・生産
- 本社
- 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
- IGBT
- IPM / DIPIPM
- SiC-MOSFET
- SiC 8インチウエハ
- HVIGBT
- HVDC向けパワーモジュール
- EMLチップ
- DFBレーザー
- pin-PDチップ
- GaN MMIC
- シリコンRF MOSFET
- モジュール組立・検査
公式製品ページと新中期事業戦略の資料に載っている区分です。
06 これから
会社が次に取りにいくもの
半導体・デバイス事業は、SiCの8インチ化と高耐圧製品でパワーデバイスを立て直し、データセンター向け光デバイスへ投資を振り向ける計画です。 2030年度目標は売上高0.4兆円、調整後営業利益率20%、ROIC 12%です。
- パワーデバイス事業 2030年度 3,000億円
- 高周波・光デバイス事業 2030年度 1,000億円
- 全社 調整後営業利益率 12%+
- 全社 ROE 12%
2026年5月29日公表の会社目標です。 2030年度の為替前提は140円/US$、160円/Euro、19.5円/人民元です。
- SiCの8インチ化
- 熊本県菊池市泗水町の新工場棟がSiCパワー半導体のウエハプロセス工程を担います。 SiCウエハへの投資額は約1,000億円、稼働開始は2026年4月予定と公表されました。2023年3月14日の発表資料に新工場棟の所在地と生産工程が載っています。
- 生産能力の増強計画
- パワーデバイスの生産能力は2023年度から2027年度で2.3倍へ増強し、福岡地区の新工場棟に高耐圧ラインを新設して2027年度以降の生産効率を上げる計画です。 EMLチップは2029年度までに2025年度比3倍超へ増強します。
- 直近の投資と受注の実績
- 2025年度のセミコンダクター・デバイス部門の設備投資は1,051億円で前年度比315%、研究開発費は192億円で前年度比126%、受注高は3,204億円で前年度比119%でした。
SiC 8インチウエハの新工場棟
2023年3月14日の発表で、SiCウエハへ約1,000億円を投じて熊本県菊池市泗水町住吉の新工場棟を建設し、稼働開始は2026年4月予定と公表されました。 パワーデバイス事業の2021〜2025年度の累計設備投資は従来計画の約1,300億円から約2,600億円へ倍増しています。
根拠資料↗不確実性:稼働開始2026年4月は2023年3月時点の予定です。 公式製品ページでは2025年10月に竣工し、量産開始へ向けたウエハラインの立ち上げ段階と記載されています。
福岡地区の後工程新工場棟
パワー半導体モジュールの組立・検査工程を担う新工場棟を福岡市西区のパワーデバイス製作所へ建設します。 投資額は約100億円、延床面積は約25,270m²、鉄骨造5階建てで、稼働開始は2026年10月予定です。
根拠資料↗不確実性:2024年11月20日の発表時点の予定です。 稼働後の生産量と要員数は公表資料の範囲外です。
データセンター向け光デバイスへの投資シフト
2025年度にEMLチップの生産能力増強へ400億円の投資を決定し、2029年度までに2025年度比で3倍超(2020年度比20倍)へ増強する計画です。 高周波・光デバイス事業の売上高は2025年度554億円から2030年度1,000億円を目標としています。
根拠資料↗不確実性:2026年5月29日公表の会社目標です。 データセンター投資の変動で達成時期は動きます。
2030年度の部門財務目標
半導体・デバイス事業の2030年度目標は売上高0.4兆円、調整後営業利益率20%、ROIC 12%です。 2025年度実績は売上高2,871億円、調整後営業利益463億円、調整後営業利益率16.1%、ROIC 8.6%でした。
根拠資料↗不確実性:2030年度の為替前提は140円/US$、160円/Euro、19.5円/人民元で、2025年度実績の前提(151円/US$、176円/Euro、21.4円/人民元)と異なります。
07 入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
パワーデバイス、SiC、光デバイス、高周波デバイスのうち、自分の専攻と重なる製品区分を1つ選び、そこから応募職種を1つに絞ります。
デバイス・プロセス開発
SiCとSiのチップ構造、ウエハプロセス、8インチ化の量産技術を担う入口です。
- SiC
- MOSFET
- IGBT
- Wafer Process
モジュール設計・実装/熱設計
パワーモジュールのパッケージ、放熱、接合、電気的な配置を設計する入口です。
- Power Module
- Thermal
- Packaging
- HVDC
化合物半導体デバイス開発(光・高周波)
兵庫県伊丹市の高周波光デバイス製作所で、EMLチップやGaN電力増幅器を開発する入口です。
- EML
- InP
- GaN
- MMIC
- IGBT・IPM / SiCモジュール / EMLチップ / GaN MMICから担当したい製品区分を1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、損失、耐圧、熱抵抗、伝送速度のどれと結ぶか1つ選ぶ
- 募集要項の就業場所と選考フロー、勤務地の製作所名を公式ページからノートへ転記する
- SiC
- MOSFET
- IGBT
- Wafer Process
- Reliability
- Power Module
- Thermal
- Packaging
- HVDC
- Inverter
パワー半導体と化合物半導体の性能指標を、自分の実務経験と結ぶための語です。
比較
他社との違いを一言で
ローム
2026年3月27日に、当社のパワーデバイス事業とロームの半導体事業の統合協議開始へ向けた基本合意を締結しています。 現時点では別会社で、SiCデバイスと産業・車載向けで直接競合します。
東芝デバイス&ストレージ
同じ基本合意の当事者です。 ディスクリートとパワーモジュールで重なり、統合は協議開始の段階で、最終契約の締結は今後です。
富士電機
IGBTモジュールと産業用電力変換で重なります。 三菱電機はFAシステム、鉄道、空調・家電といった社内の需要家事業を同じグループに持ちます。
Infineon Technologies
パワー半導体モジュールのワールドワイドシェアで、三菱電機は2024年度実績の第2位です。 順位の出典、対象範囲、年度をそろえて比べてください。
出典
公式情報と第三者資料
会社、IR、採用、報道の種別を分けて掲載しています。 参照日は2026-08-05です。
- 公式 パワーデバイス 製品情報 参照日 2026-08-05
- 公式 SiCパワー半導体 製品・拠点情報 参照日 2026-08-05
- 公式 光デバイス 製品情報 参照日 2026-08-05
- 公式 高周波デバイス 製品情報 参照日 2026-08-05
- 公式 パワーデバイス 開発・生産拠点 参照日 2026-08-05
- IR 2026年3月期 決算短信(2026年4月28日) 参照日 2026-08-05
- IR 2026年3月期 決算説明会資料(2026年4月28日) 参照日 2026-08-05
- IR 半導体・デバイス事業 新中期事業戦略(2026年5月29日) 参照日 2026-08-05
- IR 新中期経営戦略(2026年5月29日) 参照日 2026-08-05
- ニュース SiCパワー半導体の新工場棟建設(2023年3月14日) 参照日 2026-08-05
- ニュース パワーデバイス製作所 福岡地区 新工場棟建設(2024年11月20日) 参照日 2026-08-05
- ニュース パワー半導体事業・経営統合の協議開始に向けた基本合意(2026年3月27日) 参照日 2026-08-05
- 採用 新卒採用 募集要項・選考フロー 参照日 2026-08-05
- 採用 半導体・デバイス 仕事・ひと(データ) 参照日 2026-08-05
- 採用 パワーデバイス製作所(採用) 参照日 2026-08-05
- 採用 高周波光デバイス製作所(採用) 参照日 2026-08-05