エッチング
エッチングは、露光で描いたパターンを実際の膜構造へ変える工程です。
言い換えると、回路の設計図を立体形状に変換する工程 です。
ウェットエッチング
Section titled “ウェットエッチング”薬液を使って材料を除去します。 装置や条件によっては扱いやすい一方で、微細化では方向性制御が難しい場合があります。
ドライエッチング
Section titled “ドライエッチング”プラズマを用いて除去します。 微細加工で重要な異方性制御がしやすく、前工程の中核技術です。
ウェットとドライの使い分け
Section titled “ウェットとドライの使い分け”| 観点 | ウェットエッチング | ドライエッチング |
|---|---|---|
| 方向性 | 横方向にも進みやすい | 縦方向に制御しやすい |
| 主な強み | 材料選択性、加工の単純さ、バッチ加工 | 微細パターン転写、側壁形状、エンドポイント制御 |
| 注意点 | アンダーカット、薬液管理、乾燥時の欠陥 | プラズマダメージ、チャンバー状態、マスク消費 |
| 判定する工程 | 洗浄、犠牲膜除去、材料選択性が重要な工程 | ゲート、コンタクト、配線溝、High-NA世代のパターン転写 |
比較するときの軸
Section titled “比較するときの軸”| 軸 | 判定すること | 影響 |
|---|---|---|
| 選択比 | 削りたい膜と残したい膜の削れやすさ | 下地ダメージ、マスク消費、寸法ばらつき |
| 異方性 | 縦方向にどれだけまっすぐ削れるか | 線幅、側壁形状、パターン転写精度 |
| エンドポイント | 削り完了をどう検知するか | オーバーエッチ、残膜、歩留まり |
| ダメージ | プラズマや薬液が材料へ与える影響 | リーク、信頼性、後工程の接合品質 |
何が難しいか
Section titled “何が難しいか”- 欲しい材料だけ削りたい
- 横方向に削れすぎると寸法が崩れる
- 下地まで傷つけると特性が悪化する
- 微細化でマージンが急激に減る
現場で意識されること
Section titled “現場で意識されること”- 選択比
- 異方性
- エンドポイント
- プラズマダメージ
- チャンバー内の汚染
不良モードの見方
Section titled “不良モードの見方”エッチング不良は、形状、残膜、損傷、汚染に分けると追いやすくなります。 寸法が太る、細る、側壁が丸まる、下地が削れる、残渣が残る、膜が荒れるなど、見えている現象によって疑う条件が変化します。 露光由来のパターン問題なのか、エッチング条件由来なのか、洗浄後の残渣なのかを切り分けることが工程判断を左右します。
量産では、1回のエッチングだけでなく、前後の膜厚、ハードマスク、レジスト、洗浄、計測のフィードバック方まで含めて条件を選定します。 そのため、装置単体の性能だけでなく、工程全体でどこにマージンが残っているかを突き合わせます。 数nmの差が配線抵抗、リーク、歩留まりに影響するため、形状と電気特性をセットで判定材料にします。
次工程との関係
Section titled “次工程との関係”形ができたあと、必要に応じて導電性や接合特性を与えるために イオン注入 が行われます。
エッチング条件は、前の 露光とリソグラフィ で作ったパターン、後の 洗浄と表面準備、CMP とつながって決まります。 微細化世代では、High-NA EUVのパターニング課題 や 歩留まりと欠陥管理 と合わせて判定すると、工程間の上限が分かりやすくなります。