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圧力センサとは

圧力センサとは、気体や液体が押す力を、薄い膜のたわみを経由して電気信号へ変換するセンサです。 押す力そのものを電気に変える素材を探す代わりに、膜がどれだけ反ったかを測るという遠回りをします。

圧力は、必ず「何かとの差」で測ります

Section titled “圧力は、必ず「何かとの差」で測ります”

電子情報通信学会の知識ベース(9群8編5章 MEMS、2012年受領)は、圧力センサがダイヤフラムによって構成され、参照する圧力を変更することで絶対圧、相対圧および差圧が測定されるとしています。同章は、圧力センサがタイヤ圧センサをはじめ車載センサとして多数実用化され、最も普及したMEMSセンサだとしています。

膜は3方式とも共通で、異なるのは膜の反対側へ何を用意するかです。 片側を真空にすれば絶対圧、大気へ通じさせれば相対圧、両側にそれぞれ別の圧をかければ差圧になります。

膜は同じで、基準側の中身が用途を決めます
絶対圧測りたい圧力真空ゼロから測ります相対圧測りたい圧力大気へ通じる穴大気との差を測ります差圧圧力A圧力B両側の差を測ります膜は共通で、基準側の中身だけが異なります
3方式とも同じダイヤフラムを使い、膜の反対側に真空、大気、別の圧のどれを用意するかで役割が決まります。電子情報通信学会の知識ベースは、参照する圧力を変更することで絶対圧、相対圧および差圧が測定されるとしています。

膜のたわみを電気にする道は3本あります

Section titled “膜のたわみを電気にする道は3本あります”

同じ知識ベースの5章は、圧力センサがダイヤフラムの変形量を計測して圧力を検出するとし、その検出方法によって圧電型、ピエゾ抵抗型、静電容量型に分類されるとしています。ダイヤフラムの材料は一般にシリコンで、使用環境に応じてステンレスやセラミックなど様々な材料が用いられるとしています。

材料側の事情は、同じ知識ベースの9群8編1章が書いています。金属の薄膜ゲージとして使われる銅ニッケル合金やニクロム系合金膜では、歪みによる抵抗率の変化が小さくゲージファクタが概略2程度にとどまる一方、シリコンに代表される半導体材料では歪みによりバンド構造が変化するピエゾ抵抗効果が働き、典型的にはゲージファクタ100〜150程度が得られるとしています。半導体の種類、p型・n型の別、不純物濃度、結晶方位に大きく依存する値です。同章は、結晶方位に注意すればこのゲージが標準集積回路の抵抗として容易に作製でき、MEMS型デバイスで応力を計測する際にピエゾ抵抗型の検出機構がよく用いられるとしています。

圧電型については、同じ1章が、PZTやAlN、PVDFなどの圧電材料が歪みを加えると電荷を発生する性質を利用するとしたうえで、発生するのは応力に比例した電荷であり、出力信号が一般にリーク電流によって時間的に消滅していくため、静応力の検出には不向きだとしています。一定に保たれた圧力を長く測る用途では、ピエゾ抵抗型と静電容量型が候補になります。

村田製作所の「気圧センサの基礎知識」は、MEMSを用いた気圧センサに主にピエゾ抵抗方式と静電容量方式があるとし、一般的には静電容量方式のほうが低ノイズかつ低消費電流の点で優れるとしています。同社の気圧センサは静電容量方式を採用し、ダイヤフラムと電極間の静電容量値を気圧値に変換しているとしています。基本的な構成としてMEMS、ASIC、金属Lid、ゲル、基板、ワイヤーボンディングを挙げ、ASIC内部に温度センサを搭載して温度補正済みの気圧値を出力し、ADCやフィルタ、I2CやSPIのデジタルインタフェースにも対応するとしています。同社製品の構成です。

外気へ開くほど、水も入りやすくなります

Section titled “外気へ開くほど、水も入りやすくなります”

圧力センサには、ほかのセンサと異なる事情があります。測りたい対象が外の空気や液体そのものなので、膜の片側を外界へ開いておく必要があります。

村田製作所の「技術解説 防水型気圧センサ」は、筐体を完全密閉すれば防水構造は実現できるものの、筐体内部に搭載されたセンサが外部環境から切り離されるため、外部空間の気圧値を正確に取得するのが難しくなるとしています。防水フィルムで内部への水漏れに対処する方法もあるものの、構造的に高圧防水設計を実現するのが困難だとしています。同社は自社の防水型気圧センサについて、筐体に対してOリングで勘合でき、MEMSやASICなどの素子を金属キャップで覆ってその中をゲルで保護した構造により高い防水構造を実現し、MEMSがゲルを介して外部環境と接するため気圧を測定できるとしています。同社製品の構造です。

防水を上げるほど、外気からは遠ざかります
上へ行くほど圧力応答性が高いです右へ行くほど防水性能が高いです防滴フィルム防水はフィルムの限界まで筐体内で密閉外気から切り離されますOリングで勘合外気へ直に面しますムラタが自社の防水型気圧センサで示した比較です
防滴フィルムは応答性を保つ代わりに防水性能がフィルムの性能限界までにとどまり、筐体内密閉は防水を最優先する代わりに外気から遠ざかります。村田製作所は、Oリングで勘合する自社の防水型が外気へ直接つながるため、応答性良く正確な測定ができるとしています。

用途は高度の計測から機器の制御まで広がります

Section titled “用途は高度の計測から機器の制御まで広がります”

村田製作所の「気圧センサの用途」は、気圧センサが大気圧を測定して圧力値を電気信号へ変換する機器だとし、気圧が高度の上昇につれて低下する性質を使うことで高度や高低差といった立体的な位置情報を得られるとしています。スマートフォンやスマートウォッチではGPSで取りにくい垂直方向の移動を補い、屋内の階段昇降やフロア間の移動を検知するとしています。ドローンではホバリングや設定した高度の維持、掃除機やエアコンではフィルタの目詰まりや吸引力の変化の検知、標高の高い地域では自動車の吸気性能の補正にも使われるとしています。同社の用途ページは、同社の気圧センサが民生機器をターゲットとして開発された製品である旨を断っています。

電子情報通信学会の知識ベースは、この膜の使い道をもう一段広げています。圧力センサを動的に使い、音波を計測するシステムへ転用するとMEMSマイクロフォンになるとしています。また、ダイヤフラム上に振動する共振子を集積し、ダイヤフラムの変形によって生じる共振周波数の変化から圧力を読み取る手法も提案されており、出力が周波数として得られるためノイズに強いセンサを構成できるとしています。

圧力センサとは何ですか?

気体や液体が押す力を電気信号へ変換するセンサです。電子情報通信学会の知識ベースは、圧力センサがダイヤフラム(薄い膜)によって構成され、その変形量を計測することで圧力を検出するとしています。

絶対圧、相対圧、差圧の違いは何ですか?

膜の反対側へ用意する基準の中身が異なります。電子情報通信学会の知識ベースは、参照する圧力を変更することで絶対圧、相対圧および差圧が測定されるとしています。膜そのものは共通で、基準側を真空にするか、大気へ通じさせるか、別の圧をかけるかで用途が変化します。

検出の方式にはどんな種類がありますか?

圧電型、ピエゾ抵抗型、静電容量型の3つです。電子情報通信学会の知識ベースは、ダイヤフラムの変形量の検出方法によってこの3つに分類されるとしています。村田製作所は、MEMSを用いた気圧センサには主にピエゾ抵抗方式と静電容量方式があり、一般的には静電容量方式のほうが低ノイズかつ低消費電流の点で優れるとしています。

なぜシリコンが使われるのですか?

歪みに対する抵抗変化が大きいためです。電子情報通信学会の知識ベースは、金属の薄膜ゲージではゲージファクタが概略2程度にとどまる一方、シリコンに代表される半導体材料ではピエゾ抵抗効果により典型的に100〜150程度が得られるとしています。半導体の種類、p型・n型の別、不純物濃度、結晶方位に大きく依存する値です。

圧電型は圧力センサに向きますか?

一定に保たれた圧力の検出には不向きです。電子情報通信学会の知識ベースは、圧電材料が発生するのは応力に比例した電荷であり、出力信号が一般にリーク電流によって時間とともに消えていくため、静応力の検出には不向きだとしています。

防水と圧力測定はどう両立させますか?

センサ自体を防水構造にして、外気へ面する経路を残す設計です。村田製作所は、筐体を完全密閉すると内部のセンサが外部環境から切り離されるとしたうえで、自社の防水型気圧センサがOリングで筐体へ勘合でき、金属キャップとゲルで素子を保護しながらゲル越しに気圧を測定できるとしています。同社製品の構造です。

圧力センサはどこで使われていますか?

高度の計測から機器の制御まで広い範囲です。電子情報通信学会の知識ベースは、タイヤ圧センサをはじめ車載センサとして多数実用化され、最も普及したMEMSセンサだとしています。村田製作所は、スマートフォンでの階段昇降や建物の何階にいるかの検知、ドローンの高度維持、掃除機やエアコンでのフィルタ目詰まりの検知などを用途として挙げています。

  • ジャイロセンサとは ── 外界へ開く代わりに、自分で振動し続けて回転を測る側のMEMSセンサです
  • DRIEとは ── ダイヤフラムや空洞をシリコンへ深く掘るための、MEMS特有のエッチングです

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  • 村田製作所「気圧センサの基礎知識」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── ピエゾ抵抗方式と静電容量方式の比較、MEMSダイヤフラムによる検出、基本的な構成
  • 村田製作所「技術解説 防水型気圧センサ」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 防水性能と圧力応答性の比較、Oリング勘合とゲルによる保護
  • 村田製作所「気圧センサの用途」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 高度と位置情報、気象監視、機器制御の用途例
  • 電子情報通信学会 知識ベース「9群8編5章 MEMS」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── ダイヤフラム構成と絶対圧・相対圧・差圧、検出原理の分類、MEMSマイクロフォンへの転用
  • 電子情報通信学会 知識ベース「9群8編1章 センサ」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── ゲージファクタの水準、ピエゾ抵抗効果、圧電型と静応力の関係
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