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SiC MOSFETとは

SiC MOSFETとは、炭化ケイ素を基板に使ったMOS型のパワースイッチです。 絶縁破壊電界の高さを、薄いドリフト層という形に変換した素子です。

パワーMOSFETの耐圧は、ドリフト層を厚く低濃度にすることで得ます。ところが同じ層が導通時の抵抗でもあるため、耐圧を上げるほどオン抵抗が急に増えます。シリコンでは、この増え方が数百Vを超えたあたりから設計を苦しくします。だから高耐圧の領域は、少数キャリアを注入するIGBTが受け持ってきました。

炭化ケイ素は、この前提を動かします。絶縁破壊電界がシリコンより高いため、同じ電圧に耐えるのに必要なドリフト層が薄くて済みます。層が薄く、濃度を上げられれば、オン抵抗はその分だけ下がります。

結果として、MOS構造のまま高い耐圧が成立します。多数キャリアだけで導通する速い切り替えを保ったまま、これまでIGBTの領域だった耐圧帯へ入っていけます。Infineonは公式製品ページで、CoolSiC MOSFETとして400V/440V、650V、750V、1200V、1700V、2000V、2300V、3300Vのクラスを掲載しています。

同じ耐圧を、薄い層で得る
シリコンチャネルドリフト層(厚い)オン抵抗が重くなるSiCチャネルドリフト層(薄い)同じ耐圧を薄い層で持てるその分オン抵抗が下がる絶縁破壊電界がシリコンより高い高耐圧域で何が変わるかSi MOS:高耐圧でオン抵抗が重い→ その領域はIGBTが担ってきたSiC MOS:MOSのまま高耐圧が成立する→ 速い切り替えを高耐圧域へ持ち込める400V〜3300Vのクラスが並ぶ
絶縁破壊電界が高いほど、同じ耐圧に必要なドリフト層は薄くなります。層が薄ければ導通時の抵抗が下がるため、MOS構造のまま高耐圧が成立し、速い切り替えを高耐圧域へ持ち込めます。

Infineonは公式製品ページで、CoolSiC MOSFETを炭化ケイ素MOSFETモジュール、ディスクリート、ベアダイの3形態で提供しています。耐圧クラスは400V/440Vから3300Vまで8段に分かれています。

モジュールとしての定格も公開されています。三菱電機は公式製品ページで、フルSiCモジュールを定格電圧1200V〜1700V/定格電流75A〜1200A、HV-SiCパワーモジュールを1700V〜3300V/185A〜1200A、車載向けSiC/Siモジュール J3シリーズを750V〜1300V/350A〜800Aと記載しています。

製品として並ぶ帯は、IGBTと重なっています
現時点でSiCの製品が厚い帯ですInfineonの炭化ケイ素MOSFETの耐圧クラス400V/440Vから3300Vまで8段です三菱電機のIGBTモジュール 650V〜6500VフルSiCモジュール 1200V〜1700VHV-SiCパワーモジュール 1700V〜3300V車載向けSiC/Siモジュール J3 750V〜1300V0V650V1200V1700V3300V6500V横軸は定格電圧です。0Vを起点に長さを比例させていますInfineonと三菱電機の公式製品ページに載る値です
両社の公式製品ページに載る耐圧を、定格電圧の軸へ並べました。三菱電機のIGBTモジュールが650Vから6500Vまで広く並ぶ一方、SiCの製品が厚いのは1200Vから3300Vで、重なった帯では選択肢が2つある状態になります。

同ページのIGBTモジュールは650V〜6500Vの帯に広く並んでいます。SiCが現時点で製品として厚いのは1200V〜3300Vの範囲で、両者が完全に置き換わる関係ではなく、重なった帯で選択肢が2つある状態です。

SiC MOSFETとは何ですか?

炭化ケイ素を基板に使ったMOS型のパワースイッチです。シリコンより絶縁破壊電界が高いため、同じ耐圧をより薄いドリフト層で得られます。

薄いドリフト層だと何が良いのですか?

導通時の抵抗が下がります。オン抵抗はドリフト層の厚みと濃度で決まるため、薄く高濃度にできれば同じ耐圧のまま抵抗を減らせます。高耐圧ほどこの差が効きます。

なぜ高耐圧域でIGBTと競合するのですか?

シリコンのMOSでは高耐圧のオン抵抗が重くなりすぎるため、その領域はIGBTが受け持ってきました。SiCはMOSのまま高耐圧を成立させるので、多数キャリアの速い切り替えを高耐圧域へ持ち込めます。

どんな耐圧クラスがありますか?

Infineonは公式製品ページで、400V/440V、650V、750V、1200V、1700V、2000V、2300V、3300Vの炭化ケイ素MOSFETを掲載しています。

製品の形はどうなっていますか?

Infineonは公式製品ページで、炭化ケイ素MOSFETモジュール、ディスクリート、ベアダイの3形態を掲載し、製品ファミリ名をCoolSiC MOSFETとしています。

モジュールとしての定格はどのくらいですか?

三菱電機は公式製品ページで、フルSiCモジュールを定格電圧1200V〜1700V/定格電流75A〜1200A、HV-SiCパワーモジュールを1700V〜3300V/185A〜1200Aと記載しています。

この記事の事実は次の一次資料を根拠とし、各URLの到達可否をこちらで実測しています。したがって、リンク先が移動または消滅した場合は、その旨をこのページへ反映します。

  • Infineon「Silicon carbide CoolSiC MOSFETs」公式製品ページ(2026年8月23日にリンク生存を実測、200)
  • 三菱電機「Power Modules」公式製品ページ(2026年8月23日にリンク生存を実測、200)
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