アナログとデジタルとは
アナログとデジタルとは、量の変わり方が連続か、飛び飛びかという区分です。 ロームの技術解説は、アナログ量を大きさが連続している量、デジタル量を等間隔で不連続な量としています。
温度も音も明るさも、少しずつ途切れなく変化します。ロームは、こうした自然界の現象をアナログ量と呼び、時間の面でも量の面でも連続しているとしています。同じ資料でデジタル量については、時間の面でも量の面でも離散するとしています。連続か飛び飛びかという1点が、この2つの語を分けます。
同社のマイコン向け技術解説は、この区分を波形で示しています。アナログ信号の特徴は連続性であり、中間の値を無限に持ち、グラフでは1本の滑らかな線になります。デジタル信号が取る値は0と1の2つに限られ、その間を飛び越します。
小ささと消費電流と劣化への強さがデジタルを選ばせます
Section titled “小ささと消費電流と劣化への強さがデジタルを選ばせます”ロームは、デジタル信号を扱える回路がアナログ信号を扱える回路と比べて小型化と低消費電力を実現するとし、加えてデジタル信号の劣化への強さを挙げています。以下は同社の記述に沿います。
アナログ信号は中間の値を持つため、それを作る素子のわずかなばらつきで信号が崩れる恐れがあります。影響を抑えるには素子のサイズをある程度大きく保つ必要があり、小型化には不利に働きます。さらに、中間の電圧を出し続けるには電流を流し続ける必要があり、消費電流を下げようとすると回路の規模が膨らむという交換条件も伴います。
デジタル信号は最大値か最小値の2値で足り、素子のオンとオフで作れます。素子に多少のばらつきがあっても支障が出にくいため、小型化が可能になります。素子のオンとオフで済むぶん、消費電流も下げられます。
しきい値があると、同じ幅のずれを吸収します
Section titled “しきい値があると、同じ幅のずれを吸収します”劣化への強さは、しきい値という仕組みから来ます。ロームは保存と通信の両方を例に挙げています。アナログ信号は1と0の間に0.3や0.75といった値を取るため、0.75を保存したあと数年後に0.70として読み出されれば、そのぶんがそのまま失われます。0.3を送って0.4で届く場合も同様です。
デジタル信号が取る値は1か0です。しきい値は0.5付近にあり、そこ以上を1、そこ未満を0と判別します。同社の例では、1を保存して0.9になってもしきい値より上のため1と読まれ、0を送って0.1で届いてもしきい値より下のため0と読まれます。ずれの幅が同じでも、デジタル側の読み取り結果は同一のままです。
入口にA/D変換、出口にD/A変換が入ります
Section titled “入口にA/D変換、出口にD/A変換が入ります”ロームは、マイコンの内部が再現性に優れるデジタル信号で演算を行う一方、身の回りの信号のほとんどをアナログ信号としています。そこで、マイコンへ入力するときにはA/D変換で信号をデジタルへ直してから演算へ進み、結果をアナログ信号として出力する場合にはD/A変換を行います。同社は、この2つの変換をマイコンの主要な機能に挙げています。
A/Dコンバータは、自然界の現象から来るアナログ信号をデジタル信号へ変換する回路です。ロームはその動作を、標本化・量子化・符号化という一連のステップとしています。D/Aコンバータは逆向きで、デジタル量をアナログ量へ変換します。
温度が上がったらファンを回す動作を例に、同社は、温度をいったんマイコンへ取り込む必要があるとしています。取り込みでは2つの要素が働きます。どこからどこまでを変換するかにあたる基準電圧と、その範囲を何分割するかにあたる分解能です。同社のマイコン向け資料によれば、分解能が10ビットなら基準電圧が1024分割され、その1目盛りが1LSBになります。
変換の速さと細かさは、製品ラインアップにも出ます
Section titled “変換の速さと細かさは、製品ラインアップにも出ます”ルネサスは公式製品ページで、実世界のアナログ信号をデジタルデータへ変換する製品群として、高精度のSAR型およびΔΣ型のA/Dコンバータと、500MSPS対応の高速A/Dコンバータを挙げています。同社の製品ラインアップの記述です。細かさを優先する系列と速さを優先する系列が別々に並ぶことから、アナログからデジタルへ渡す方法が用途ごとに複数あることを読み取れます。
音のデジタル化を代表するのがPCMです
Section titled “音のデジタル化を代表するのがPCMです”キーエンスは、アナログ信号を一定の周期で標本化して2進数へ変換し、パルス列のデジタル信号にする方式をパルス符号変調(PCM)としています。同社は、音声などのアナログ信号をデジタル信号に直して送るときに用いる方式だとし、用途としてCDやPCMレコーダー、Blu-rayを挙げ、この方式をアナログ・デジタル変換とも呼ぶと記しています。連続した音が円盤の上で0と1の並びになるのは、この変換を経るためです。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”アナログとデジタルとは何ですか?
量の変わり方の区分です。ロームは、アナログ量を大きさが連続している量とし、時間の面でも量の面でも連続しているとしています。デジタル量は等間隔で不連続な量にあたり、同社の記述では時間の面でも量の面でも離散します。
アナログ信号とデジタル信号は波形でどのように異なりますか?
ロームのマイコン向け技術解説によれば、アナログ信号は中間の値を無限に持ち、グラフでは1本の滑らかな線になります。デジタル信号が取る値は0と1の2つに限られます。
身の回りの信号はどちらにあたりますか?
ロームは、私たちの身の回りの信号のほとんどをアナログ信号としています。温度や音のように、少しずつ途切れなく変化する量がこれにあたります。
それでもデジタル回路が選ばれるのはなぜですか?
ロームは理由を3つ挙げています。デジタル回路はアナログ回路より小型化しやすく、消費電流も下げやすく、信号が劣化に強い点です。デジタル信号は最大値と最小値の2値で足りるため素子のオンとオフで作れ、素子に多少のばらつきがあっても支障が出にくいと同社は記しています。
劣化に強いとはどういう意味ですか?
しきい値で読み取るためです。ロームの例では、アナログ信号で0.75を保存すると、数年後に0.70として読み出される場合があります。デジタル信号のしきい値は0.5付近にあり、そこ以上を1、そこ未満を0と判別します。1が0.9へずれても1と読まれるため、同じ幅のずれでも読み取り結果は同一のままです。
アナログとデジタルはどこで行き来しますか?
変換回路です。ロームは、マイコンへ入力するときにA/D変換でデジタル信号へ直し、結果をアナログ信号として出力する場合にD/A変換を行うとしています。入口をA/Dコンバータ、出口をD/Aコンバータが受け持ちます。
音楽CDのデジタル化はどの方式ですか?
キーエンスは、アナログ信号を一定の周期で標本化して2進数へ変換しパルス列にする方式をパルス符号変調(PCM)としています。同社は用途にCDやPCMレコーダー、Blu-rayを挙げ、この方式をアナログ・デジタル変換とも呼ぶと記しています。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- サンプリングとは ── アナログをデジタルへ渡す最初の段で、切り出す間隔を決めます
- ADC(A/Dコンバータ)とは ── アナログ信号をデジタル信号へ変換する回路そのものです
- DAC(D/Aコンバータ)とは ── 逆向きに、デジタル量をアナログ量へ変換します
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- ローム「マイコン基礎編 アナログ信号とデジタル信号/デジタル信号が必要な理由」エレクトロニクス豆知識(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── アナログ信号とデジタル信号の波形上の区分、小型化と低消費電流と劣化への強さという3つの利点、しきい値0.5での判別
- ローム「D/Aコンバータとは?」エレクトロニクス豆知識(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── アナログ量とデジタル量を時間の面と量の面の双方から区分した記述
- ローム「A/Dコンバータとは?」エレクトロニクス豆知識(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── A/D変換が標本化・量子化・符号化の一連のステップにあたること
- ローム「マイコン基礎編 A/Dコンバータ」エレクトロニクス豆知識(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 基準電圧と分解能という2つの要素、10ビットで1024分割となる関係
- キーエンス「パルス信号とは?」計測器ラボ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── パルス符号変調(PCM)の記述と、CDやBlu-rayという用途
- ルネサス「データコンバータ」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 高精度SAR型・ΔΣ型と500MSPS対応の高速A/Dコンバータを含む製品ラインアップ