特殊ガスとは
特殊ガスとは、半導体などの製造で少量ずつ使われる一方、毒性や可燃性、腐食性といった性質を持つため、専用の容器と設備で運ぶガスの総称です。 名前は、使う量よりも供給に必要な手当ての大きさから来ています。
使う量はわずかでも、設備は大きくなります
Section titled “使う量はわずかでも、設備は大きくなります”半導体工場が使うガスは、大きく2種類あります。日本酸素ホールディングスはエレクトロニクス事業の製品として、バルクガスと電子材料ガスを別に並べています。以下は同社が自社の事業について示す区分です。バルクガスには窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム、水素、炭酸ガスなどが入り、キャリアガス、安全性と空気圧操作のための窒素、酸化プロセスのための酸素といった使われ方が挙げられています。大容量を必要とする顧客には、ガス発生装置による配管供給も行うとしています。
もう一方の電子材料ガスは、単体ガス、混合ガス、液体、固体材料や、高純度、厳しい公差などの特殊特性を持つ半導体製造材料として紹介されています。これが特殊ガスと呼ばれる領域です。日本酸素は事業部サイトで同じ領域を半導体材料ガスと呼び、IC、メモリ、液晶ディスプレイ、太陽電池、LEDの製造など幅広い用途に使われるとしています。
危険性の中身は、製品ごとに異なります
Section titled “危険性の中身は、製品ごとに異なります”日本酸素ホールディングスは、電材機器のページで、高圧ガス、可燃性ガス、毒性ガス、腐食性ガスを安全に使うための装置を提供してきたとしています。特殊ガスと一口に言っても、燃えるもの、人体に有害なもの、金属を侵すものと、危険性の中身が製品ごとに異なります。1種類の設備では足りず、ガスごとに容器や配管の材質を選びます。
日本酸素は特殊ガス容器のページで、毒性・可燃性・腐食性などの性質を持つ特殊ガスを高品質かつ安全に供給する容器として、マンガン鋼製の継目なし容器やアルミニウム合金製容器などを用途に応じて使うとしています。これらの容器は高圧ガス保安法とJIS B8241規格の適用を受けるとされています。容器弁についても、充填される成分に応じて材質、口金部の外径、ネジ方向などが製品ごとに異なり、つなぐときはサイズの合った専用工具が必要と案内されています。以上は同社が自社の供給体制について示す内容です。ネジの向きまで中身に合わせて作り分けるのは、取り違えを防ぐためです。
容器から出口まで、専用の道を通ります
Section titled “容器から出口まで、専用の道を通ります”日本酸素は、半導体や液晶などの顧客工場の隣接地に超高純度窒素製造装置と電子材料ガス供給設備を備えたガスセンターを設け、パイプラインで24時間体制の供給を行うとしています。合わせて高純度仕様の特殊配管施工、高純度ガス精製装置、排ガス処理装置、シリンダーキャビネットなどの関連機器も提供するとしています。以上は同社が自社の事業について示す内容です。ガスそのものより、供給の仕組みのほうが大きな構造物になります。
純度の桁が、製品の顔になります
Section titled “純度の桁が、製品の顔になります”特殊ガスの多くは、純度が製品名の一部のようになります。セントラル硝子は半導体成膜工程用プロセスガスのページで、メタル配線形成に使う六フッ化タングステン(WF6)の純度を99.9995%以上、低誘電率層間絶縁膜に使うトリメチルシラン(3MS)を99.995%以上と掲載しています。これらは同社が自社製品について示す値です。日本酸素は高純度ガスを、特定の不純物が一定濃度以下で保証された固有の性質を持つ単成分の圧縮ガスおよび液化ガスとしています。不純物が残れば膜の出来に響くため、純度は性能そのものです。
半導体のほかにも使い道があります
Section titled “半導体のほかにも使い道があります”関東電化工業は特殊ガス製品のページで、半導体の製造プロセスにおいて成膜・エッチング・クリーニング等の各工程で特殊ガスが使われるとしたうえで、FPD、光ファイバー、大容量変電設備も用途に挙げています。光ファイバーの製造用原料には四フッ化ケイ素が、大容量変電設備には絶縁性能の高い六フッ化硫黄が使われるとしています。以上は同社が自社製品について示す用途です。同社は製品別データのページで、四フッ化炭素の沸点をマイナス128.06度、三フッ化塩素の沸点を11.5度、六フッ化タングステンの沸点を17.3度と掲載しており、常温で気体のものと液体に近いものが同じ一覧に並びます。沸点が離れていれば、容器の中での姿も送り出し方も入れ替わります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”特殊ガスとは何ですか?
半導体などの製造で少量ずつ使われる一方、毒性や可燃性、腐食性といった性質を持つため、専用の容器と設備で運ぶガスの総称です。日本酸素は特殊ガス容器のページで、毒性・可燃性・腐食性などの性質を持つ特殊ガスを高品質かつ安全に供給する容器を用意しているとしています。
バルクガスとは何が異なりますか?
量と供給の手間が逆になります。日本酸素ホールディングスは、窒素や酸素、アルゴン、ヘリウム、水素、炭酸ガスなどをバルクガスとして挙げ、大容量を必要とする顧客にはガス発生装置による配管供給を行うとしています。特殊ガスは使う量がわずかでも、容器や供給設備が個別に要ります。
電子材料ガスや半導体材料ガスとは同じものですか?
おおむね重なります。日本酸素ホールディングスは電子材料ガスを、単体ガス、混合ガス、液体、固体材料や、高純度、厳しい公差などの特殊特性を持つ半導体製造材料として紹介しています。日本酸素の事業部サイトでは、同じ領域を半導体材料ガスと呼んでいます。
どの工程で使いますか?
成膜、エッチング、イオン注入などです。日本酸素は半導体材料ガスの用途区分として、Epi、CVD、ALD、リソグラフィー、エッチング、イオン注入、High-K、クリーニングを挙げています。関東電化工業も、成膜・エッチング・クリーニング等の各工程で特殊ガスが使われるとしています。
どのくらいの純度が要りますか?
製品によって桁が異なります。セントラル硝子は同社の半導体成膜工程用プロセスガスについて、六フッ化タングステン(WF6)の純度を99.9995%以上、トリメチルシラン(3MS)を99.995%以上と掲載しています。日本酸素は高純度ガスを、特定の不純物が一定濃度以下で保証された単成分のガスとしています。
容器はふつうのボンベと異なりますか?
異なります。日本酸素は、マンガン鋼製の継目なし容器やアルミニウム合金製容器などを用途に応じて使い分け、これらが高圧ガス保安法とJIS B8241規格の適用を受けるとしています。容器弁も、充填される成分に応じて材質、口金部の外径、ネジ方向などが製品ごとに異なります。
半導体以外にも使いますか?
使います。関東電化工業は特殊ガス製品の用途として、半導体とFPDに加え、光ファイバーの製造用原料に四フッ化ケイ素が、大容量変電設備の絶縁に六フッ化硫黄が使われることを挙げています。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- エッチングガスとは ── 特殊ガスのうち、削る工程を受け持つもの
- 高純度材料(イレブンナイン)とは ── 純度を9の個数で語る考え方
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- 関東電化工業「特殊ガス製品」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 半導体・FPD・光ファイバー・大容量変電設備という用途の広がり
- 関東電化工業「製品別データ」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 四フッ化炭素、三フッ化塩素、六フッ化タングステンの沸点
- 日本酸素ホールディングス「エレクトロニクス事業 取扱い製品・サービス」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 電子材料ガスとバルクガスの区分、シリンダーキャビネットと排ガス処理
- 日本酸素「エレクトロニクス」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 顧客工場の隣接地からのパイプライン供給と関連機器
- 日本酸素「特殊ガスについて 容器と容器弁」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 容器の材質、高圧ガス保安法とJIS B8241、容器弁の作り分け
- 日本酸素「半導体材料ガス」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 用途区分と対象デバイス
- 日本酸素「高純度ガス」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 高純度ガスとして保証される条件
- セントラル硝子「半導体成膜工程用プロセスガス」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── WF6と3MSの純度と用途