石英部材とは
石英部材とは、高純度の石英ガラスを加工して作った、半導体製造装置の内部で使う部品です。 加熱炉の炉心管、ウェハを保持するボート、反応室のライナーやベルジャーなどが該当します。
半導体の工程では、ウェハと同じくらい、ウェハの周りを囲む部品が問題になります。加熱され、薬品にさらされ、そのすぐ隣にウェハがあるためです。
信越石英は半導体製造プロセス用途のページで、この事情を次のように書いています。半導体の製造工程で使う機械、装置、容器には、使う工程に応じて耐熱性と化学的純度が要ります。置かれる条件がどう変わっても半導体材料との反応を避けること、そして痕跡といえるほどの量であってもどんな元素の転移も避けることが、そこでの条件になります。同社は、純度の高さとあわせて揮発性物質の有無も重視されるとしたうえで、石英ガラスがこれらの条件をまとめて満たせるほぼ唯一の材料だと書いています。
つまり石英部材は、装置の中で工程に触れる場所を、この材料一つで引き受けている部品です。
四つの注文が同時に来ます
Section titled “四つの注文が同時に来ます”信越石英の石英ガラスの解説ページは、石英ガラスの特性として、高純度であること、耐熱性に優れること、光の透過性に優れること、耐薬品性が高いこと、均一性が高いことの五つを挙げています。以下は同社の記述です。
純度については、高集積化が進む製造プロセスが微量の不純物を嫌うため、反応管などに使う石英ガラスには厳しい純度が求められると書いています。同社が製品として挙げるのは、アルカリ金属の不純物を取り除いた高純度の透明石英ガラスや、合成でつくる超高純度の石英ガラスです。
耐熱については、熱への強さと、熱膨張係数の小ささを一つの材料で兼ね備えるとしています。熱処理のような高温の工程で、炉心管やボートのように高温でも形が保たれる部材として広く使われる理由が、この組み合わせにあります。同社は、石英ガラスが非結晶の材料であるため、温度が急激に上下する場面にも持ちこたえるとしています。
図面どおりの部品として届きます
Section titled “図面どおりの部品として届きます”石英部材を買う側へ届くのは、装置の図面どおりに加工された部品です。
フェローテックは石英製品の公式ページで、同社グループが作る石英製品の例として、窓、ライナー、絶縁部品、管、洗浄槽、ペデスタル、タンク、インジェクター、カバー、リング、ベルジャー、ボートを挙げています。用途の事例としては、CVD装置とエッチング装置を挙げています。
素材の側も複数あります。同社は、主にMomentiveの素材を使う認定加工業者の一つだとしたうえで、扱えるグレードとして、124と214を標準品、224を低アルカリ品、144と244を低アルカリかつ低アルミニウム品として掲げています。溶融した透明材料と不透明材料のどちらも使えるとしています。これらは同社が取り扱う素材グレードの区分です。
信越石英の石英ガラス加工品のページは、加工品を、装置メーカーや顧客の図面などの仕様に沿って作るオーダーメイド製品だとしています。加工品のもとになる管、棒、板といった材料の側でも、材質と外径と肉厚と長さ、そして公差を指定した注文に応じるとしています。素材の品種と部品の形は、どちらも入る工程が決めます。
同じ石英が、窓にも原版にもなります
Section titled “同じ石英が、窓にも原版にもなります”信越石英は、透明な石英ガラスについて、光を通す割合が、紫外の側から赤外の側までのどの波長でも、ふつうのガラス類を上回るとしています。露光装置のレンズ素材、光ファイバ用の材料、ランプ用の材料に使われる理由が、この広さにあります。同社は、波長の短い紫外の領域では、ほかのどのガラスと比べても通し方が良いとしています。
この光の性質は、装置の部品以外の場所でも使われます。東京エレクトロンの公式用語集は、フォトマスクを、石英製の板の表面へクロムなどで回路パターンを描いた、露光工程で使う原版だとしています。露光の光が通る側にも、石英ガラスがあります。
侵されるものは限られています
Section titled “侵されるものは限られています”石英部材の耐薬品性にも範囲があります。信越石英は、半導体の工程では薬品も使うため耐薬品性が要るとしたうえで、石英ガラスを侵すものはフッ酸ほかいくつかに限られると書いています。
裏を返すと、フッ酸は石英を侵します。石英部材の耐薬品性は、薬品を名指しして確かめる性質のものです。 装置に石英を使うか、別の材料に替えるかは、その工程で流す薬品が決めます。
石英部材が消耗品に区分され、装置メーカーと部材メーカーが工程ごとに図面と品種を作り分けているのは、この可否の線を工程単位で引き直しているためです。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”石英部材とは何ですか?
高純度の石英ガラスを加工して作った、半導体製造装置の内部で使う部品です。加熱炉の炉心管、ウェハを保持するボート、反応室のライナーやベルジャーなどが該当します。
なぜ石英ガラスが選ばれるのですか?
信越石英は、半導体の工程で使う機械や装置や容器には、工程に応じた耐熱性と化学的純度が求められ、どんな元素も痕跡の量すら半導体材料へ移ることを避ける必要があるとしています。同社は、石英ガラスがこれらの条件をすべて満たすほとんど唯一の材料であると書いています。
石英部材にはどんな形のものがありますか?
フェローテックは公式製品ページで、同社グループが作る石英製品の例として、窓、ライナー、絶縁部品、管、洗浄槽、ペデスタル、タンク、インジェクター、カバー、リング、ベルジャー、ボートを挙げています。
石英ガラスは薬品に強いのですか?
信越石英は、半導体の工程では薬品も使うため耐薬品性が要るとしたうえで、石英ガラスを侵すものはフッ酸ほかいくつかに限られると書いています。つまり、フッ酸は石英を侵します。薬品ごとに可否を確かめる工程設計が要ります。
石英ガラスにも品種の違いがありますか?
あります。フェローテックは公式製品ページで、124と214を標準品、224を低アルカリ品、144と244を低アルカリかつ低アルミニウム品として、複数のグレードを掲げています。透明な溶融材料と不透明材料の両方が使えるとも書いています。これらは同社の製品グレードの区分です。
石英部材はカタログから選ぶのですか?
図面で作る部品です。信越石英は、石英ガラス加工品について、希望の材質、サイズ(外径・肉厚・長さ)、公差でのオーダーメイドが可能だとしています。装置と工程が決まってから形が決まります。
フォトマスクも石英ですか?
東京エレクトロンの公式用語集は、フォトマスクを、石英製の板の表面にクロムなどで回路パターンを形成した露光用の原版だとしています。石英ガラスは、装置の中の部品としても、パターンを載せる原版としても使われます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- 静電チャック(ESC)とは ── ウェハを保持する側の装置部品で、石英部材とは役割が異なります
- 高純度材料(イレブンナイン)とは ── 純度を9の個数で語る考え方で、石英部材の純度要求と地続きです
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- 信越石英「石英ガラスとは?」公式解説ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 石英ガラスの五つの特性、炉心管とボートへの用途、フッ酸に関する記述
- 信越石英「半導体製造プロセス用途」公式ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 装置と容器に求められる耐熱性と化学的純度、ほとんど唯一の材料であるという記述
- 信越石英「石英ガラス加工品、石英ガラス加工品用材料」公式ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 材質とサイズと公差のオーダーメイド対応
- フェローテック「石英製品」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 石英製品の形状の例、素材グレードの区分、CVD装置とエッチング装置での用途
- 東京エレクトロン 公式用語集「フォトマスク」(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── フォトマスクが石英製の板を基材とすること