High-k材料とは
High-k材料とは、高い誘電率(k)を持つ材料です。 東京エレクトロンの公式用語集は、トランジスタ性能とDRAMの容量を高めるために、ロジックのゲートとDRAMキャパシタの誘電体膜に使われると記述しています。
MOSFETのゲートは、絶縁膜を挟んでチャネルへ電界を届けます。届く電界の強さは、膜が薄いほど強くなります。だから微細化とともに、この膜は薄くされてきました。
薄くする道には行き止まりがあります。原子数個分の厚みまで来ると、電子が膜を通り抜けるようになります。絶縁膜が絶縁しなくなり、待機しているだけで電力が漏れます。
High-k材料は、この行き止まりを迂回します。電界を届ける能力は、膜の厚みだけでなく誘電率にも比例します。誘電率の高い材料を使えば、同じ効き目を保ったまま膜を厚く戻せます。厚みが戻れば、電子は通り抜けにくくなります。
東京エレクトロンの公式用語集は、High-k材料の用途として、ロジックのゲートとDRAMのキャパシタを挙げています。
ロジックとDRAMで同じ理屈が働く
Section titled “ロジックとDRAMで同じ理屈が働く”用途は2つ挙げられていますが、求めているものは同じです。どちらも「限られた面積で容量を稼ぎたい」という要求です。
ロジックのゲートでは、容量が大きいほどゲートがチャネルを支配する力が強くなります。微細化でチャネルが短くなるほど、この支配力が要ります。
DRAMのキャパシタでは、容量がそのまま蓄えられる電荷の量です。DRAMのセルは電荷の有無で1と0を表すので、蓄えられる量が減れば読み出しの余裕が減り、リフレッシュの間隔も短くなります。セルを小さくしても容量を保つ必要があります。
面積を減らしながら容量を保つ。この共通の要求に対して、誘電率を上げるという同じ答えが使われています。
メタルゲートとの組み合わせ
Section titled “メタルゲートとの組み合わせ”Samsungは公式ページで、HKMGとFinFETからEUVとGAAへという技術の流れを挙げています。HKMGは、High-k絶縁膜とメタルゲートを組み合わせた構成を指します。
膜の材料を替えたことが、その上に載る電極の材料選択にも波及しました。従来のポリシリコンゲートとHigh-k膜の組み合わせでは界面に不都合が生じるため、電極側も金属へ替えることになります。1か所の材料変更が、隣接する層の設計まで動かした例です。
関連するデータ・ツール
Section titled “関連するデータ・ツール”- デバイス製品開発の工程ページ ── 工程分類と、この工程に接続している公開求人
- ALDの工程ページ ── 薄い膜を厚み制御して付ける側
- 装置カタログDB ── 公式製品ページ単位のメーカーと製品family
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”High-k材料とは何ですか?
東京エレクトロンの公式用語集は、High-k材料を高い誘電率(k)を持つ材料とし、トランジスタ性能とDRAMの容量を高めるためにロジックのゲートとDRAMキャパシタの誘電体膜に使われると記述しています。
誘電率が高いと何が良いのですか?
同じ容量をより厚い膜で作れます。容量は誘電率と面積に比例し、厚みに反比例するため、誘電率を上げた分だけ厚みを戻せます。
なぜ厚みを戻したいのですか?
薄くしすぎると電子が膜を通り抜けるためです。ゲート絶縁膜は電流を止める役ですが、原子数個分まで薄くなると量子力学的に electron が漏れ出し、待機時の消費電力が増えます。
どこに使われますか?
東京エレクトロンの公式用語集は、ロジックのゲートとDRAMのキャパシタを挙げています。片方はゲートの制御力を保つため、もう片方は蓄える電荷量を確保するためです。
HKMGとは何ですか?
High-k絶縁膜とメタルゲートを組み合わせた構成です。Samsungは公式ページで、HKMGとFinFETからEUVとGAAへという技術の流れを挙げています。
なぜゲートも金属へ替えるのですか?
High-k膜と従来のポリシリコンゲートの組み合わせでは、界面で不都合が生じるためです。膜の材料を替えたことが、その上に載る電極の材料選択にも波及しました。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- MOSFETとは ── ゲート絶縁膜が担う役
この記事の事実は次の一次資料を根拠とし、各URLの到達可否をこちらで実測しています。したがって、リンク先が移動または消滅した場合は、その旨をこのページへ反映します。
- 東京エレクトロン 公式用語集「High-K Material」(2026年8月23日にリンク生存を実測、200)
- Samsung Foundry「Process Technology」公式ページ(2026年8月23日にリンク生存を実測、200)