リードフレームとは
リードフレームとは、半導体チップを支えながら外部の配線へつなぐ、金属の薄板を加工して作った枠組みです。 三井ハイテックは、リードフレームを半導体チップと外部の電子機器とをつなぐ主に銅材の枠組みとし、チップを支えて位置を保つ役割、外部配線へつなぐ役割、製品の運搬や実装をしやすくする役割を挙げています。
1枚の板から、余分なところを取り去って作ります
Section titled “1枚の板から、余分なところを取り去って作ります”三井ハイテックは、リードフレームの工法を2つ挙げています。スタンピングは精密金型で金属を打ち抜く工法、エッチングは薬品で金属を溶かす工法です。どちらも、金属を取り去る操作です。キーエンスも、長い薄板を順送で精密プレス(打ち抜き・絞り・曲げ)加工し、ダイパッド、インナーリード、アウターリードを成形すると書いています。同社は、機械加工のほかにエッチングやめっきなど表面を仕上げる工程があるとも述べています。
各部の名前は、キーエンスが図で示しています。チップを載せて支えるのがダイパッド、チップとワイヤで結ばれる内側の端子がインナーリード、パッケージの外へ出て基板へはんだ付けされるのがアウターリードです。これらを組み立ての間だけ1枚に保つのが、フレーム(枠)部とダムバーです。名前の由来になった枠は、封止のあとで切り離されます。
打ち抜きと溶かし取りで、向く場面が違います
Section titled “打ち抜きと溶かし取りで、向く場面が違います”三井ハイテックは、この2つの工法を開発の段階で使い分けるとしています。短納期と少量の要求へ応えるのがエッチングリードフレーム、コストダウンと大量の要求へ応えるのがスタンピングリードフレームです。同社は、両方式を持つ立場から、エッチングの設計時に将来のスタンピング化へ適した案を出せるため、移行時に確かめ直す工数を最小限に抑えられるとしています。めっき工程より後の治工具は両方式で共用できるとも述べています。以上は同社のサービス記載です。
同社はまた、リードフレームを大判化して1枚あたりのパッケージ数を増やすことが、顧客の組立コスト低減になるとしています。新光電気工業も、超精密金型によるプレス加工やエッチング加工でさまざまなリードフレームを作ると掲載しています。
材料は銅合金系と鉄合金系の2系統です
Section titled “材料は銅合金系と鉄合金系の2系統です”キーエンスは、リードフレームに一般に銅合金系素材や鉄合金系素材など、電気伝導度・機械的強度・熱伝導度・耐食性に優れた薄板を用いると書いています。リードフレームは、電気を通し、チップの重さを支え、熱を運び、外気にさらされます。4つの要求が同時にかかるため、薄板そのものの性質がまとめて問われます。
銅合金の側では、プロテリアル金属がC194とHCL-12Sを挙げています。C194は高い強度と耐熱性を持ち、めっき性・エッチング性・プレス性に優れる材料として、ICリードフレームやLEDに使われています。HCL-12Sは高耐熱性と高導電率を持つ材料として、小型トランジスターやパワートランジスターに使われています。いずれも同社製品の記載です。
熱の出口をどこへ作るかで、形が決まります
Section titled “熱の出口をどこへ作るかで、形が決まります”新光電気工業は、露出パッドパッケージ用リードフレームについて、モールドしたパッケージからダイパッド裏面を露出させることで高い放熱性を実現するとしています。同社は、電源用グラウンド配線をダイパッドへ接合させ、安定した電源供給を可能にするリードフレームも供給するとし、独自の深曲げ技術によってダイパッドの段差管理と平坦度を安定させるとも述べています。
さらに厚い金属を使う形が、かしめリードフレームです。同社は、ダイパッドを省いたリードフレームと熱伝導が良い金属の放熱板をかしめ加工で留めた2層構造とし、放熱板がパッケージ表面へ露出するよう設計するとしています。用途として、高い信頼性が要求される車載用の各種ECUを挙げています。三井ハイテックも、電気の導通を担う端子部と放熱を担うチップ搭載部を、種類と厚みが別々の材料でかしめ接合するとし、車載ECUや通信基地局用のRFデバイスを用途に挙げています。同社は、テープ接着や溶接接合のタイプに比べて低価格で供給できるとも述べています。以上は各社の製品記載です。
パワー半導体では、板そのものが厚くなります。三井ハイテックは、パワーデバイス用リードフレームについて、厚みが厚く複数種の厚みを持つ板材を使うため高難易度の加工技術を要するとしています。
めっきが、内側と外側で別の役目を担います
Section titled “めっきが、内側と外側で別の役目を担います”同じ1枚の金属でも、内側の端と外側の端では相手が違います。内側はチップとワイヤで結ばれ、外側は基板へはんだで留まります。新光電気工業のはんだレスパッケージ用リードフレームは、リードフレーム全面へニッケル・パラジウム・金の3層めっきを施すことで、インナーリードとICチップ間のワイヤ結線と、アウターリードとプリント基板間のはんだ付けの両方の機能を持たせています。同社は、この構成によって外装のはんだめっきが不要になり、微細な実装ピッチでのはんだブリッジを防ぎ、耐マイグレーション性が上がるとしています。銅素材の上に3層をめっきすることで高い耐熱特性を持つとも述べています。同社製品の構成です。
QFN用のリードフレームでは、めっきの作り分けがさらに細かくなります。新光電気工業は、パラジウムめっきによる鉛フリー対応、フォトリソグラフィーの技術を使った高精度で精密な銀めっき、高信頼性パッケージを実現する表面粗化の技術を特徴に挙げています。
端子の平坦さが、はんだ付けの出来を決めます
Section titled “端子の平坦さが、はんだ付けの出来を決めます”でき上がったリードフレームパッケージは、リフローで基板へ実装されます。キーエンスは、アウターリードの寸法や形状、コプラナリティの不良が実装時の不具合原因になるとしています。同社はリード浮きの原因として、はんだ印刷や部品の位置ズレ、はんだ印刷量または溶融時間の不均一、端子の変形、搭載機の押圧不足を挙げ、対策として端子形状の検査・管理、印刷条件の検討、リフロー条件の検討を挙げています。リードフレームの平坦さが、その先のはんだ付けの品質へ直結します。
端子を裏面へ移すと、実装面積が縮みます
Section titled “端子を裏面へ移すと、実装面積が縮みます”小型化の要求は、端子の位置そのものを変えました。新光電気工業は、パッケージの小型化ニーズへの対応として、パッケージの裏面へ外部の端子を露出させたリードレスパッケージの需要が増えているとしています。同社はQFN用リードフレームの特徴として、実装面積を約40%縮小できると挙げています。SSOPの16ピンと24ピンに対して同社が示した値です。用途としては、コンバーターやレギュレーター、パワーアンプなどの電源系デバイス、ロジック、センサーを挙げています。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”リードフレームとは何ですか?
半導体チップを支え、外部の配線へつなぐ金属製の枠組みです。三井ハイテックは、リードフレームを半導体チップと外部の電子機器とをつなぐ主に銅材の枠組みとし、チップを支えて位置を保つ役割、外部配線へつなぐ役割、製品の運搬や実装をしやすくする役割を挙げています。
どの部分に名前が付いていますか?
キーエンスは、リードフレームの各部としてインナーリード、アウターリード、ダイパッド、フレーム(枠)部、ダムバーを挙げています。チップを載せるのがダイパッド、チップとワイヤで結ばれる内側の端子がインナーリード、外へ出て基板へはんだ付けされるのがアウターリードです。
どうやって作りますか?
金属の薄板から余分なところを取り去って作ります。三井ハイテックは工法を2つ挙げ、スタンピングを精密金型で金属を打ち抜く工法、エッチングを薬品で金属を溶かす工法としています。キーエンスは、長い薄板を順送で精密プレス(打ち抜き・絞り・曲げ)加工すると書いています。
2つの工法はどう使い分けますか?
三井ハイテックは、開発ステージで短納期と少量の要求へ応えるのがエッチング、量産ステージでコストダウンと大量の要求へ応えるのがスタンピングとしています。同社は両方式を持つ立場から、エッチングの設計時に将来のスタンピング化へ適した案を出せるため、移行時に確かめ直す工数を最小限に抑えられるとも述べています。
材料には何を使いますか?
キーエンスは、一般に銅合金系素材や鉄合金系素材など、電気伝導度・機械的強度・熱伝導度・耐食性に優れた薄板を用いると書いています。プロテリアル金属は、C194を高い強度と耐熱性を持ちめっき性・エッチング性・プレス性に優れる材料としてICリードフレームやLEDへ、HCL-12Sを高耐熱性と高導電率を持つ材料として小型トランジスターやパワートランジスターへ挙げています。いずれも同社製品の記載です。
放熱はどう強くしますか?
熱の出口を作ります。新光電気工業は、露出パッドパッケージ用リードフレームについて、モールドしたパッケージからダイパッド裏面を露出させることで高い放熱性を実現するとしています。かしめリードフレームについては、ダイパッドを省いたリードフレームと熱伝導が良い金属の放熱板をかしめ加工で留めた2層構造とし、放熱板がパッケージ表面へ露出するよう設計するとしています。いずれも同社製品の記載です。
端子の平坦さはなぜ問われますか?
はんだ付けの出来に直結するためです。キーエンスは、アウターリードの寸法や形状、コプラナリティの不良が実装時の不具合原因になるとし、リード浮きの原因としてはんだ印刷や部品の位置ズレ、はんだ印刷量または溶融時間の不均一、端子の変形、搭載機の押圧不足を挙げています。対策としては端子形状の検査・管理やリフロー条件の検討を挙げています。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- リフローとは ── リードフレームの脚を基板へはんだ付けする工程
- プリント基板とは ── 絶縁体の板へ配線を作る、相手側の部品
- BGA(ボールグリッドアレイ)とは ── 端子を裏面の球へ置き換えたパッケージ
この記事の事実は、誰でも読める公開資料を根拠とし、各URLの到達可否をこちらで実測しています。したがって、リンク先が移動または消滅した場合は、その旨をこのページへ反映します。
- 三井ハイテック「リードフレーム」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── リードフレームが半導体チップと外部の電子機器とをつなぐ主に銅材の枠組みであること、チップを支えて位置を保つ役割と外部配線へつなぐ役割、製品の運搬や実装をしやすくする役割を持つこと、スタンピングが精密金型で金属を打ち抜く工法でエッチングが薬品で金属を溶かす工法であること、エッチングが開発ステージの短納期・少量へ、スタンピングが量産ステージのコストダウン・大量へ向くこと、両方式を持つことでスタンピング化へ適した案を出せ、移行時に確かめ直す工数を最小限に抑えられること、めっき工程より後の治工具が両方式で共用できること、大判化で1枚あたりのパッケージ数を増やし組立コスト低減になること、カシメリードフレームが端子部とチップ搭載部を種類と厚みが別々の材料でかしめ接合し車載ECUや通信基地局用RFデバイスに使われること、テープ接着や溶接接合のタイプに比べて低価格で供給できるとすること、パワーデバイス用リードフレームが厚く複数種の厚みを持つ板材を使うため高難易度の加工技術を要することを、この出典で確かめています。
- キーエンス「半導体パッケージのリード浮きをすばやく正確に測定する方法」測定課題解決ライブラリ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── リードフレームの各部がインナーリード、アウターリード、ダイパッド、フレーム(枠)部、ダムバーであること、長い薄板を順送で精密プレス(打ち抜き・絞り・曲げ)加工してダイパッド・インナーリード・アウターリードを成形すること、機械加工のほかにエッチングやめっきなど表面を仕上げる工程があること、一般に銅合金系素材や鉄合金系素材など電気伝導度・機械的強度・熱伝導度・耐食性に優れた薄板を用いること、アウターリードの寸法や形状とコプラナリティの不良が実装時の不具合原因になること、リード浮きの原因がはんだ印刷や部品の位置ズレ・はんだ印刷量または溶融時間の不均一・端子の変形・搭載機の押圧不足であること、対策が端子形状の検査・管理と印刷条件の検討とリフロー条件の検討であることを、この出典で確かめています。
- 新光電気工業「リードフレーム」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── 超精密金型によるプレス加工やエッチング加工でさまざまなリードフレームを作るとすること、リードレスパッケージ用・リードパッケージ用・露出パッドパッケージ用・かしめ・はんだレスパッケージ用の5系統を掲載していることを、この出典で確かめています。
- 新光電気工業「露出パッドパッケージ用リードフレーム」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── モールドしたパッケージからダイパッド裏面を露出させることで高い放熱性を実現するとすること、電源用グラウンド配線をダイパッドへ接合させて安定した電源供給を可能にするリードフレームも供給すること、独自の深曲げ技術でダイパッドの段差管理と平坦度を安定させるとすることを、この出典で確かめています。
- 新光電気工業「かしめリードフレーム」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── ダイパッドを省いたリードフレームと熱伝導が良い金属の放熱板をかしめ加工で留めた2層構造であること、放熱板がパッケージ表面へ露出するよう設計されること、モールド樹脂との密着力を高めるめっきと組み合わせて車載用パッケージなどに採用されること、用途に高い信頼性が要求される車載用各種ECUを挙げていることを、この出典で確かめています。
- 新光電気工業「リードレスパッケージ(QFN)用リードフレーム」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── パッケージの小型化ニーズへの対応として裏面へ外部の端子を露出させたリードレスパッケージの需要が増えているとすること、実装面積を約40%縮小(対SSOP 16/24ピン)とすること、パラジウムめっきによる鉛フリー対応と、フォトリソグラフィーの技術を使った高精度で精密な銀めっきと、高信頼性パッケージを実現する表面粗化の技術を特徴に挙げていること、用途が電源系(コンバーター、レギュレーター、パワーアンプ)デバイスとロジックとセンサーであることを、この出典で確かめています。
- 新光電気工業「はんだレスパッケージ用リードフレーム」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── リードフレーム全面へニッケル・パラジウム・金の3層めっきを施しインナーリードとICチップ間のワイヤ結線とアウターリードとプリント基板間のはんだ付けの機能を持たせること、外装のはんだめっきが不要になること、微細な実装ピッチでのはんだブリッジを防ぐこと、耐マイグレーション性が上がること、銅素材の上に3層をめっきすることで高い耐熱特性を持つことを、この出典で確かめています。
- プロテリアル金属「半導体リードフレーム用銅合金条」公式製品ページ(2026年8月30日にリンク生存を実測、200)── C194が高い強度と耐熱性を持ちめっき性・エッチング性・プレス性に優れICリードフレームやLEDに使われること、HCL-12Sが高耐熱性と高導電率を持ち小型トランジスターやパワートランジスターに使われること、材料としてC194やHCL-12Sなどを挙げていることを、この出典で確かめています。いずれも同社製品の記載です。