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電子ビーム検査とは

電子線検査とは、細く絞った電子線でウェーハの表面を走査し、返ってきた電子の量を各点の明るさへ置き換えて像を作り、その像から欠陥を探す検査です。 形の異常に加えて、電気の通り道がつながっているかどうかの違いまで像に出るところが、光を使う欠陥検査との違いです。

日本分析機器工業会の資料は、走査電子顕微鏡を、電子線を試料に当てて表面を観察する装置としています。同会によれば、電子銃で発生させた電子線を集束レンズと対物レンズで試料上の電子スポットへ絞り、走査コイルがそのスポットを試料上で動かし、検出器が照射点から発生した信号電子を検出し、その量を各点の明るさとして表示したものがSEM像です。加速電圧は一般的な装置で数100Vから30kV程度だとしています(2015年に公開された資料です)。

像に何が映るかは、信号電子の量が何によって変化するかで決まります。日本半導体製造装置協会の用語集は、二次電子の発生量が試料の材質、形状、電位状態によって変化するとしています。3つ目の電位状態が、検査としての電子線の持ち味です。日本電子は、二次電子のエネルギーを50eV以下とすることが多いとし、金属試料で二次電子が試料表面から飛び出せる深さを5〜10nmとしています。像へ届くのは、それだけ表面に近い層からの信号です。

同じ形でも、電気の通り道には差が出ます

Section titled “同じ形でも、電気の通り道には差が出ます”

日本電子は用語集で、電位コントラストを、試料上の電位差によって二次電子の検出効率が変化して生じるコントラストとしています。同社によれば、電位が高い場所では検出器との間にできる電界が弱まりますので、二次電子が拾われにくくなって暗く写り、電位が低い場所では逆に電界が強まって明るく写ります。同社は、これを利用してLSIなどの回路の動作状態を調べられるとしています。

現場の言葉にしてみます。コンタクトプラグの底が下の層の手前で止まっている場合や、配線がどこかで切れている場合を考えます。上から形だけを追うと、健全なものとの差はわずかです。ところが電気の通り方が違えば電位の状態が変化しますので、像の明るさに差が出ます。

同じ形でも、電気の通り道には差が出ます
光で表面を測ります底が手前で止まります像では明るさの差がわずかです電子線を当てます電子線電子線電位の状態が違います明るさが変化し、差が出ます
二次電子の発生量は、試料の材質や形状に加えて電位の状態でも変化します。底が下の層の手前で止まったプラグは、形だけを追うと健全なものとの判別が難しい一方、電位の状態が違えば像の明るさに差が出ますので、電子線を当てると差として表に出ます。

光を使う検査と、どこが異なるのでしょうか

Section titled “光を使う検査と、どこが異なるのでしょうか”

どちらも像を作って欠陥を探しますが、分解能の上限を握るものが異なります。日本半導体製造装置協会は、光学式検査装置に使う光源として波長365nmの紫外線と、波長248nmおよび266nmの遠紫外線を挙げ、高分解能の検査装置が要求されて短波長化が進んでいるとしています。光の側は、波長を短くする方向で細かさを稼いできました。

電子線の側は事情が異なります。日本分析機器工業会は、SEMの分解能が試料上の電子スポットの直径で決まり、スポット径が小さいほど分解能が高くなるとしています。同会によれば、小さなスポットを作るには電子源の輝度を高くする必要があり、電界放出形の電子源はタングステンフィラメント形の約1000倍の高輝度が得られて1nm以下の極めて小さいスポット径を実現します。細かさの上限を握るのが光の波長か、絞り込んだ点の大きさか、という違いです。

現場では何を測り、どこへ渡すのでしょうか

Section titled “現場では何を測り、どこへ渡すのでしょうか”

検査が返すのは、まず座標です。日本半導体製造装置協会は、欠陥レビューを、ウェーハ検査装置が検出した異物や欠陥の形状や成分をより詳しく観察し、分類し、分析することとしています。同会によれば、自動欠陥レビューは検査で得た座標などをもとに自動で欠陥画像を取得してデータベース化し、自動欠陥分類はその画像を発生原因ごとにクラス分けして、歩留り管理システムや工場ホストへ上げます。

上がった先も、同じ用語集が記しています。同会は歩留り管理システムを、歩留りモニタと欠陥検査から解析までをひとつながりにし、欠陥が出た工程へのフィードバックや、APCによる装置レシピへのフィードフォワードを行いながら歩留まりを管理し向上させる統合システムとしています。電子線で撮った1枚の像は、そのまま工程の設定へ渡ります。

装置の側では、寸法を測る用途と欠陥を詳しく観察する用途が近い技術の上に載ります。アドバンテストは公式の製品ページで、測長SEMと欠陥レビューSEMを、走査電子顕微鏡の技術を応用してフォトマスクやウェーハ上の配線パターンなどの微細な表面構造を高精度かつ安定的に測定しレビューする製品として掲げています。

電子線検査は、何と引き換えに像を得るのでしょうか

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第一に、点で測ります。日本分析機器工業会が記すとおり、SEM像は走査コイルが電子スポットを動かしながら各点の信号を集めて作られます。測る面積が広がれば、動かす点の数もそれだけ増えます。

第二に、真空と設備を用意します。同会は、電子源から出た電子がガス分子との衝突を避けて試料へ届くには真空が必要で、本体は真空ポンプで真空状態に保つとしています。さらに、電界放出形の電子源を動かすには電子銃を超高真空にする必要があり、専用の真空ポンプが要るとも述べています。分解能を稼ぐほど、それを支える設備が大きくなります。

第三に、当てた場所が帯電します。日本電子は、電位コントラストが、非導電性の試料を観察するときに帯電が生む異常な明暗の原因にもなるとしています。像を作る仕組みが、そのまま像を乱す原因にもなります。日本分析機器工業会は、電子線照射による帯電を避けるため、試料表面へ導電性を与える下ごしらえも行われるとしています。日本電子は測長SEMについて、非導電性の試料を相手にするため1kV以下の低加速電圧が使われ、これにより試料の損傷も防いでいるとしています。

像を作る力は、像を乱す力でもあります
分解能を上げるほど、支える設備が大きくなります細かい欠陥まで測ります光学顕微鏡を大きく上回りますスポット径を小さくします分解能はスポット径で決まります高輝度の電子源が要ります電界放出形は約1000倍の輝度専用の真空ポンプ電子銃は超高真空です当てすぎを抑える工夫も要ります電子線が当たると帯電します像に異常なコントラストが出ます導電性を与える下ごしらえをします1kV以下の加速電圧で当てます損傷を抑えながら像を得ます
電子線検査の分解能は試料上の電子スポットの直径で決まりますので、細く絞るほど小さな欠陥まで測れます。ただし小さなスポットには高輝度の電子源が要り、電界放出形の電子源を動かすには超高真空と専用の真空ポンプが要ります。あわせて、電子線が当たった試料は帯電しますので、導電性を与える下ごしらえや低い加速電圧といった手当ても要ります。
電子線検査とは何ですか?

細く絞った電子線でウェーハの表面を走査し、そこから返ってくる信号電子の量を各点の明るさへ置き換えて像を作り、その像から欠陥を探す検査です。日本分析機器工業会は、この走査と像の作り方を走査電子顕微鏡の基本としています。

光を使う検査とどこが異なりますか?

分解能の上限を握るものが異なります。日本半導体製造装置協会は、光学式検査装置の光源として波長365nmの紫外線や波長248nmと266nmの遠紫外線を挙げ、高分解能の装置が要求されて短波長化が進んでいるとしています。電子線の側は、試料上の電子スポットの直径が分解能を左右します。

電位コントラストとは何ですか?

試料の上の電位差によって二次電子の検出効率が変化し、像に生じる明暗のことです。日本電子は、電位が高いと検出器との間の電界が弱くなって暗くなり、電位が低いと電界が強くなって明るくなるとしています。

表面の形から判別しにくい欠陥も分かりますか?

電位の違いとして表に出るものは分かります。日本半導体製造装置協会は、二次電子の発生量が試料の材質と形状に加えて電位状態でも変化するとしています。形の上では判別しにくい導通の違いが、像の明るさの差になります。

分解能は何で決まりますか?

試料上の電子スポットの直径で決まります。日本分析機器工業会は、スポット径が小さいほど分解能が高くなるとし、電界放出形の電子源はタングステンフィラメント形の約1000倍の輝度が得られて1nm以下のスポット径を実現するとしています。

試料が帯電するとどうなりますか?

像が乱れます。日本電子は、電位コントラストが、非導電性の試料を観察するときに帯電が生む異常な明暗の原因にもなるとしています。日本分析機器工業会は、電子線照射による帯電を避けるため、試料表面へ導電性を与える下ごしらえも行われるとしています。

検出した欠陥はその後どうなりますか?

座標をもとに詳しく観察され、分類されて工程へ渡ります。日本半導体製造装置協会は、欠陥レビューを検査装置が検出した異物や欠陥の形状や成分をより詳しく観察し分類し分析することとし、分類された情報が歩留り管理システムや工場ホストへ上げられるとしています。

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  • 日本分析機器工業会「走査電子顕微鏡(SEM)の原理と応用」(2026年9月2日にリンク生存を実測、200)── 電子線走査と像の作り方、加速電圧の範囲、スポット径と分解能、電子源の輝度、真空と帯電への手当て
  • 日本電子「用語集 電位コントラスト」(2026年9月2日にリンク生存を実測、200)── 電位差で二次電子の検出効率が変化すること、帯電による異常コントラスト
  • 日本電子「用語集 二次電子」(2026年9月2日にリンク生存を実測、200)── 二次電子のエネルギーと、試料表面から飛び出せる深さ
  • 日本電子「用語集 測長SEM」(2026年9月2日にリンク生存を実測、200)── 1kV以下の低加速電圧と、試料の損傷を防ぐ効果
  • 日本半導体製造装置協会「半導体製造装置用語集(計測)」(2026年9月2日にリンク生存を実測、200)── 二次電子の発生量が電位状態でも変化すること、光学式検査装置の光源波長、欠陥レビューと欠陥分類と歩留り管理システムのつながり
  • アドバンテスト「測長SEM/欠陥レビューSEM」(2026年9月2日にリンク生存を実測、200)── 測長とレビューが走査電子顕微鏡の技術の上に載ること
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