PVD(物理気相成長)とは
PVD(Physical Vapor Deposition、物理気相成長)とは、固体のターゲット材料から原子や分子を物理的に取り出し、基板へ飛ばして積もらせる成膜方式です。 ターゲットの組成をほぼそのまま膜へ移せるため、金属配線や電極で選ばれます。
PVDの中心にあるのは、膜になる材料を固体から直接取り出すという発想です。東京エレクトロンの公式用語集は、スパッタリング装置を、反応室を真空に引いて外部環境の影響を断った上で、高速に加速した不活性物質(アルゴンなど)が金属やセラミックのターゲット材料へ衝突し、叩き出されたターゲット分子が基板へ直接、または反応室へ導入した他のガスと化学反応したのち堆積する装置として記述しています。
物理的に叩き出すという性質は、そのまま膜の組成と被覆の形へ効きます。ターゲットの組成がほぼそのまま膜へ移るため、合金組成の再現性が要る金属配線に向きます。一方で飛来する粒子の方向が偏るため、深い溝やビアでは入口の角が先に成長し、側壁と底が薄いまま残ります。したがってPVDは、厚く速く積みたい金属膜で選ばれ、深い構造の被覆はCVDやALDが担います。
PVDの主な種類
Section titled “PVDの主な種類”スパッタリングは、PVDの中で半導体前工程の主力を占める方式です。アルゴンプラズマ中のイオンをターゲットへ加速して当て、叩き出された原子をウェーハへ積もらせます。キヤノンアネルバはスパッタリング装置EC7800を公式製品ページで公開しており、アルバックも製品ページでスパッタリング装置群を掲載しています。
真空蒸着は、材料を加熱して蒸発させ、飛来した原子を基板へ積もらせます。装置構成が単純で成膜レートも高く、光学薄膜や電極の量産で使われます。半導体前工程での採用はスパッタリングより限られます。
イオンビーム成膜は、独立したイオン源でターゲットを叩き、入射角とエネルギーを個別に制御します。膜密度と界面の制御性が高く、光学多層膜や磁気デバイス向けの精密成膜で使われます。
この用語に対応する装置と製造メーカー
Section titled “この用語に対応する装置と製造メーカー”装置カタログDBから、この用語に一致する製品familyを持つメーカー 10社/11family を引いています。 各行は各社の公式製品ページを出典とします。 DBからの生成日: 2026-08-21
- AMAT
- キヤノン株式会社
- Canon ANELVA sputtering systemsPVD / Sputtering
- Evatec
- CLUSTERLINE 300Advanced Packaging / PVD / Etch
- CLUSTERLINE 600Panel-Level Packaging / PVD / Etch
- KLA
- SPTS Sigma / Osprey / Delta deposition systemsDeposition / PVD / PECVD
- NAURA Technology Group
- NAURA PVD / CVD / ALD equipmentDeposition
- Plasma-Therm
- VERSALINE / QuaZar / Eclipse deposition systemsDeposition / PECVD / PVD
- scia Systems
- scia Coat / Multi / Magna sputtering systemsSputtering / Ion Beam Deposition
- Shibaura Mechatronics
- SWN-5000 / BM-1400W sputtering equipmentDeposition / Sputtering
- アルバック
- ENTRON sputtering systemsPVD / Sputtering
- Veeco
- SPECTOR ion beam deposition systemsIon Beam Deposition
出典は各社の公式製品ページです。 装置カタログDB では、同じ製品familyを工程・メーカー横断で検索できます。
関連するデータ・ツール
Section titled “関連するデータ・ツール”- PVD・スパッタの工程ページ ── 工程分類と、この工程に接続している公開求人
- PVDの求人一覧 ── 現在この工程で募集している企業
- 装置カタログDB ── 公式製品ページ単位のメーカーと製品family
- 工程別の装置シェア ── 成膜を含む工程別のvendor share
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”PVDとは何ですか?
PVD(Physical Vapor Deposition、物理気相成長)は、固体のターゲット材料から原子や分子を物理的に取り出し、基板へ飛ばして積もらせる成膜方式です。化学反応で膜を作るCVDに対し、PVDは粒子の運動が膜を作ります。金属配線や電極の成膜で広く使われます。
PVDにはどんな種類がありますか?
スパッタリング、真空蒸着、イオンビーム成膜が代表です。スパッタリングはアルゴンイオンをターゲットへ当てて原子を叩き出します。真空蒸着は材料を加熱して蒸発させます。イオンビーム成膜は独立したイオン源を使い、入射角とエネルギーを個別に制御します。
スパッタリングはPVDですか?
スパッタリングはPVDに属します。東京エレクトロンの公式用語集は、スパッタリング装置を、加速した不活性物質がターゲット材料へ衝突し、叩き出されたターゲット分子が基板へ堆積する装置として記述しています。半導体前工程のPVDでは、スパッタリングが主力を占めます。
PVDの段差被覆性はどうですか?
限界があります。ターゲットから飛来する粒子の方向が偏るため、深い溝やビアでは入口の角が先に厚くなり、側壁と底が薄く残ります。アスペクト比が高くなるほどこの差が広がるため、深い構造の被覆にはCVDやALDを使います。
PVDでどんな膜を作りますか?
金属配線、電極、めっきのシード層、バリアメタルなどが代表例です。ターゲットの組成をほぼそのまま膜へ移せるため、合金組成の再現性が要る膜に向きます。
PVD装置のメーカーはどこですか?
当サイトの装置カタログDBでは、PVDやスパッタリングに一致する製品familyを持つメーカーを公式製品ページ単位で引けます。Applied Materials、キヤノンアネルバ、アルバック、Evatec、芝浦メカトロニクス、KLA(SPTS)、scia Systemsなどが該当します。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- CVDとPVDの違い(成膜プロセス比較) ── 成膜原理、段差被覆性、成膜温度、代表装置メーカー
- 酸化・成膜工程の全体像 ── 成膜工程が前後の工程とどう並ぶか
この記事の事実は次の一次資料を根拠とし、各URLの到達可否をこちらで実測しています。したがって、リンク先が移動または消滅した場合は、その旨をこのページへ反映します。
- 東京エレクトロン 公式用語集「Sputtering Equipment」(2026年8月21日にリンク生存を実測、200)
- キヤノンアネルバ「Sputtering Equipment EC7800」公式製品ページ(2026年8月21日にリンク生存を実測、200)
- アルバック「製品」公式ページ(2026年8月21日に実測。装置カタログDBが持つ
sputtering_systemのURLは4ホップのリダイレクトを経てこのページへ着地しており、DB側のURLが古いままです) - 装置と製造メーカーの行は
intel.equipment_vendor_families(公式製品ページ由来)から生成