WEE(ウェハエッジ露光)とは
WEE(Wafer Edge Exposure、ウェハエッジ露光)とは、ウェハ外周のレジストだけを別に露光する処理です。 東京エレクトロンの公開特許は、これを、レジストなどの感光性材料を塗布した基板のエッジ部分へ露光を行うものとしています。
レジストはウェハの全面に塗られます。ところが露光装置が実際にパターンを焼くのは、チップが取れる範囲だけです。
東京エレクトロンの公開特許US7573054B2は、ウェハの周辺部(エッジ部)がパターン形成領域として使われることはまれで、そのため周辺部は露光装置で露光されないことがあるとしています。
結果として、外周には露光されていないレジストが残ります。ポジ型レジストであれば、露光されていない部分は現像でも溶けません。塗った膜がそのまま外周に残り続けます。
残したままにすると何が起きるか
Section titled “残したままにすると何が起きるか”US7573054B2は、外周に残ったレジストがウェハの搬送中などに剥がれてパーティクルとなり、ウェハ表面を汚染して歩留まりを低下させるとしています。
ウェハの縁は、搬送のたびにアームや治具と接する場所です。そこに密着の弱い膜が残っていれば、剥がれる機会は何度も訪れます。剥がれた破片は、そのウェハの表面にも、装置の中にも落ちます。外周1周ぶんの余りが、面内のチップを潰すという経路です。
外周を落としておけば、この経路そのものが消えます。歩留まりはチップ面積と欠陥密度で決まるので、発生源を1つ断つことがそのまま面内の取れ高になります。特許の実施例にある外周2mmを捨てる判断が、内側のチップを守るという交換です。
露光という手段で、除去範囲を決める
Section titled “露光という手段で、除去範囲を決める”外周のレジストを落とすだけなら、溶剤で洗い流す方法もあります(エッジビードリムーブ)。WEEは別の手を使います。露光しておいて、あとの現像で一緒に落とす方法です。
この方式には利点があります。除去する幅を、光を当てる範囲で決められます。溶剤の流れに頼るより、境界が揃います。工程としても、すでにある現像の中で処理が終わります。
同特許は実施例として、ウェハの外周から内側へ2mmという位置を挙げています。装置とプロセスによって変わる設定値ですが、桁はミリメートルの領域です。
置かれる場所はコータデベロッパの中
Section titled “置かれる場所はコータデベロッパの中”WEEは露光装置の機能ではありません。コータデベロッパの中に組み込まれます。
US6240874B1は、レジスト塗布手段と、ウェハの加熱処理とエッジ露光を統合した手段と、現像手段を備える装置を示しています。温度制御プレート、モータ、それらを結ぶシャフト、そしてウェハエッジ露光の機構が1つのユニットに収められています。
塗って、焼いて、外周を露光して、露光装置へ渡し、戻ってきたら現像します。この流れの中に自然に収まる位置だからこそ、コータデベロッパ側の機能になっています。露光装置の仕事は面内のパターンだけで、外周の始末は塗布側が引き受ける、という分担です。
関連するデータ・ツール
Section titled “関連するデータ・ツール”- 塗布・現像(クリーントラック)の工程ページ ── 工程分類と、この工程に接続している公開求人
- 汚染・パーティクル管理の工程ページ ── 剥がれたレジストが問題になる側
- 装置カタログDB ── 公式製品ページ単位のメーカーと製品family
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”WEEとは何ですか?
ウェハ外周のレジストだけを別に露光する処理です。東京エレクトロンの公開特許US7573054B2は、これを、レジストなどの感光性材料を塗布した基板のエッジ部分へ露光を行うものとしています。
なぜ外周だけ別に露光するのですか?
露光装置がそこを露光しないためです。同特許は、ウェハの周辺部(エッジ部)がパターン形成領域として使われることはまれで、そのため周辺部は露光装置で露光されないことがあるとしています。
露光されないと何が困るのですか?
レジストが残ったままになるためです。同特許は、このレジストがウェハの搬送中などに剥がれてパーティクルとなり、ウェハ表面を汚染して歩留まりを低下させるとしています。
どのくらいの幅を露光しますか?
同特許は実施例として、ウェハの外周から内側へ2mmという位置を挙げています。装置とプロセスによって変わる設定値です。
現像で落とすのですか?
そうです。外周を露光しておけば、そのあとの現像でその部分のレジストが一緒に除去されます。露光という手段で、実質的にレジストの除去範囲を決めています。
どこに置かれる機能ですか?
コータデベロッパの中です。US6240874B1は、レジスト塗布手段、ウェハの加熱処理とエッジ露光を統合した手段、現像手段を備える装置を示しています。塗布から現像までの流れの中に組み込まれます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- コーター/デベロッパとは ── WEEが組み込まれる装置
この記事の事実は次の公開特許を根拠とし、各URLの到達可否をこちらで実測しています。特許は公開文書であり、恒久的に参照できます。
- 東京エレクトロン「US7573054B2 Edge exposure apparatus, coating and developing apparatus, and edge exposure method」(2026年8月28日にリンク生存を実測、200)── エッジ露光の定義、周辺部が露光装置で露光されない事情、剥がれたレジストによるパーティクル汚染と歩留まり低下、外周から内側へ2mmの実施例
- 「US6240874B1 Integrated edge exposure and hot/cool plate for a wafer track system」(2026年8月28日にリンク生存を実測、200)── 塗布・加熱/エッジ露光統合ユニット・現像を備える装置構成