選択比(エッチング)とは
選択比とは、削りたい層のエッチレートを、残したい層のエッチレートで割った比です。 値が大きいほど、狙った層だけを削って他を残せます。
選択比が要る理由は、エッチングが単独では止まらないからです。プラズマや薬液は、狙った層に当たっている間だけ働くわけではありません。狙った層を削り切ったあとも条件が続けば、その下の層を削り始めます。マスクとして載せたレジストも、削られる対象の一つです。
そこで、材料ごとのエッチレートの比を指標にします。削りたい層のレートを残したい層のレートで割った値が選択比です。見るべき比は主に2つで、マスク(レジストやハードマスク)に対する比と、削り止めたい下地の層に対する比になります。前者はマスクが最後まで持ちこたえるかを決め、後者は掘りすぎを止められるかを決めます。
選択比は工程の余裕とも直結します。膜厚には面内でばらつきがあるため、最も厚い場所まで削り切るには、平均より長く削る必要があります。この余裕分をオーバーエッチと呼びます。下地に対する選択比が高いほど、オーバーエッチを長く取っても下地が無事に残ります。
高い選択比の作り方
Section titled “高い選択比の作り方”ウェットエッチングは、薬液の選び方で材料ごとの溶けやすさの差を大きく取れるため、選択比を高くしやすい方式です。ドライエッチングはイオン衝撃が物理的に働くぶん材料差が付きにくく、ガス種と条件で選択比を作り込みます。
プラズマ源の方式も効きます。Oxford Instruments Plasma Technologyの公式技術ページは、ICP-RIEの設計目標として高いエッチレート、高い選択比、低ダメージを挙げ、RF発生器とICP発生器を分けることでイオンエネルギーとイオン密度を別々に制御できると述べています。イオンエネルギーを低く保ったままプラズマ密度を上げられるため、物理的な削りを抑えつつ化学的な選択性を活かせます。
ALEはさらに踏み込みます。イオンのエネルギーを、改質層を取り除くには十分で下地を取り除くには不十分な範囲に保つため、下地に対する選択性を条件そのものが担保します。
関連するデータ・ツール
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よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”選択比とは何ですか?
選択比は、削りたい層のエッチレートを、残したい層のエッチレートで割った比です。値が大きいほど、狙った層だけを削って他を残せます。エッチングの条件設計では、エッチレートと並ぶ中心的な指標になります。
何に対する選択比を見ますか?
主に2つです。マスクとして使うレジストやハードマスクに対する比と、削り止めたい下地の層に対する比です。前者はマスクが持ちこたえるかを、後者は掘りすぎを止められるかを決めます。
選択比が低いとどうなりますか?
マスクが先に削れてパターン幅が崩れるか、下地まで掘り進んで下の層を傷めます。膜厚のばらつきを見込んで長めに削るオーバーエッチの余裕も取れなくなります。
ドライとウェットで選択比はどう違いますか?
ウェットエッチングは薬液の選び方で材料ごとの溶けやすさの差を大きく取れるため、選択比を高くしやすい方式です。ドライエッチングはイオン衝撃が物理的に働くぶん材料差が付きにくいため、ガス種と条件で選択比を作り込みます。
高い選択比はどう作りますか?
プラズマの密度とイオンのエネルギーを分けて制御する方式が使われます。Oxford Instruments Plasma Technologyの公式技術ページは、ICP-RIEの設計目標として高いエッチレート、高い選択比、低ダメージを挙げ、RF発生器とICP発生器を分けることでイオンエネルギーとイオン密度を別々に制御できると述べています。
ALEは選択比とどう関係しますか?
ALEは表面を改質する段と改質層だけを取り除く段に分け、それぞれを自己停止させます。イオンのエネルギーを、改質層を取り除くには十分で下地を取り除くには不十分な範囲に保つため、下地に対する選択性を条件そのものが担保します。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- 主要メーカーのエッチング装置分類 ── メーカー別の装置分類
- エッチング工程 ── 工程としてのエッチングの全体像
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